07/11/08
低金利政策と国民経済4
アメリカ政府はこの数十年間、国民に耐乏生活を求める自信がないので、なりふり構わず国債(財務省証券)を買ってもらって資金の還流を図り、アメリカ国民の購買力資金としてばら撒く・・財政赤字のシナリオでやってきたのです。
これが、いわゆるアメリカの双子の赤字です。
(アメリカは、1986年以来純債務国に転落したままです)
物価が上がれば、その分稼ぐか、稼げない分は我慢すればいいのですが、それが出来ないので借金・・・財務省証券の海外への売りでやってきたといえるでしょう。
半独立国といわれる日本程度の国が、アメリカ財務省債権の大口顧客になっても、アメリカは、幕府が大商人から冥加金を取り上げたくらいの気持ちで、ちっとも困らなかったでしょうが、日本だけでなく中国が購入者になり、さらに、アラブやロシアが大口債権者になると傾向が大違いになってきます。
さしあたり、どこの国であってもアメリカ国債を買ってくれないと国民に贅沢させられない・・耐乏を要求する政権では持たないでしょう・・・これまでは、最近では中国がアメリカの財務省証券を買い支えてきましたが、今後はアラブ産油国やロシア、ブラジルがその購入者になってくれるか?と言う関心がドル相場になっているのでしょう。
もしも彼らが買ってくれたら買ってくれたで、その政治的影響力は、従属国あるいは与国である日本が、仕方なしに買わされているのとは、大違いな結果になってきます。
その点には目をつぶるとしても、財務省証券を買ってもらうためには、アメリカは、強いドルであり続けなければならないジレンマを抱えているのです。
昨秋来のサブプライム問題の危機では、アメリカの金融機関やイギリスの大手金融機関へのアラブの政府系ファンドの資金拠出が報道されましたし、ここ数日間でもニューヨークのクライスラービルやGMビルをアラブ首長国連邦のアブダビファンドが買収したなどの報道がされています。
その他、クイーン・エリザベス2世号の買収なども報道されています。
実物投資には金利は関係がないですが、(逆にドル安低金利の方が海外勢には買いやすいかもしれません)
アメリカとしては、企業の直接買収や実物買収による直接支配を受けるよりは、財務省証券を買わせて、政府が国民に分配する方が気楽でしょう。
海外からの導入資金を元手に、政府がばら撒いた資金で国民は逆に海外企業の買収をして儲けている構図です。
最後はデフォルトしても、(ドル紙幣の2倍3倍発行で債権の価値を半額〜3分の1にしても・・)政府の債務であって、国民には直接の債務ではないのですから、国民は、海外投資した債権や株券(あるいは、買収した日本のビル・ホテルなど)を手放す義務はありません。
ドルが、いくら下がっていても、アメリカ国民は資金を海外に逃がしていれば、損はしないのです。
こうして、アメリカでは財務省証券への資金還流が期待されているのですが、アメリカの金利が低いままでは金利の高い国へ資金が逃げてしまいます。
関連ページリンク
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
