07/06/08

資源高騰と所得移転1

電気、テレビ、車その他何でもそうですが、原材料費が上がったならば、その分そっくり価格転嫁していけば、(便乗値上げはいけませんが・・・)結果的に(産油国も高くなった車やテレビを買わねばならないので)資源値上がりで儲けたお金の先進国への還流となり、資源高騰は帳消しになるのです。

ところが生活必需品の場合、消費者には価格転嫁する対象がなく、あえて言うならば賃上げしかないのですが、そこに行き着くまで時間の経過が必要ですし、実際それに対応できるほどの賃上げになるとインフレに火がついてしまいます。

インフレも、瞬時ににすべて(預金借金残高も含めてという意味です)が倍になるインフレならば、誰も損はないのですが、そんなことは不可能です。

いずれにせよ、賃上げまでには期間があるので、そのまま放置していると、必需品の比率の高い低所得層にはきついことになります。

インドネシアや中国など経済格差の高い国では、これを放置すると低所得層の暴動に発展しかねませんから、低所得者対策として先ず石油製品に対する補助金を積み増ししなければならないのです。

わが国でも生活必需品である灯油やガソリン、ガスには、特別な優遇制度が設けられることが多いのも、同じ理由です。

どこの国でも、低所得層対策として先ずは補助金での生活必需品の値上がり防止に努めるのですが、低利または補助金で購買力維持を続けるのでは、実は産油国への補助金支出をしているのと同じ経済効果になってしまいます。

この転嫁が進まず、各段階で自己負担するからその分、資源高騰がそのまま維持できて産出国や資源輸出国だけが儲かってしまうのです。

技術革新で材料使用の効率化した分があって、原材料価格の上昇分を吸収した結果、その分を製品価格に転嫁しないのは合理的ですが、何の工夫もなく従来どおりやっている以上は、価格転嫁しなければ生産・供給関係者が持たないはずです。

創意工夫のない企業は、100%価格転嫁するか利益率の低下・・内部留保の取り崩ししかないのですが、内部留保の取り崩しは時間の経過で無理が出ます。

その社会全体で効率利用の工夫をしないまま、政府が補助金を出しているのは、企業の内部留保食いつぶしあるいは借金による延命策と同じです。

言うならば、同じ消費水準を維持するならば国は補助金によって内部留保を食いつぶし、企業も値上げをしない分内部留保を取り崩すしかないのです。

国と企業の内部留保の取り崩し分(補助金)あるい赤字増加分が、そっくり資源国に所得移転する関係です。

こうして、転嫁しきれない分は先進国あるいは無資源国の富が資源国へ順次移転していくのですから、その分資源輸入国は貧乏になっていく・・国民も消費支出を抑制する・・我慢の生活しかなくなります。

仕入れ価格が上がっているのに、その分価格転嫁できなければ、国全体や企業の将来はジリ貧です。



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