07/04/08
低金利政策と国民経済3
赤字企業救済の問題点については、10/22/02「日本経済の低迷と会社更生法(非退場のシステム)4」前後のコラムで連載しましたが、不景気の都度マイナス企業が淘汰されてこそ、ギリギリで頑張っている企業に生き残りのチャンスがあり、社会が筋肉質になっていくのですが、補助金で温存されるとせっかく頑張っている企業まで落ち込んでしまうからです。
またマイナス企業が倒産すると、失業者があふれるという妄説に対しては、10/21/02「会社更生法と日本経済3(金融機関の倒産 2)」のコラムで書いたように、需要がある限り同業他者がその穴をうずめるために直ぐに経営拡張しますので、そのときに必要な人材を吸収するので、雇用状況としては社会全体では同じだということも書きました。
いずれにせよ、前向き需要と後ろ向き需要のせめぎ合いで、金利は落ち着くべきところに落ちつかせるのが、正しいやり方です。
私の立論によると金融政策は、余程の緊急事態以外、むやみに発動すべきではない・・核兵器のようなものと言うことになります。
言うならば、日銀その他関係役人は、100年に一度お役に立てばいいのですから、非常勤でいいでしょうし、関連役人はすべて暇を出すべきです。
小さな政府になるでしょう。
しかし、政府のほうはマイナス企業の泣き落としに弱いし、自分の権力・・サジ加減が利くのに快感を覚える人が多いので、その救済のために低金利政策を基礎にして、さらに特別融資や特別保証協会枠での利子補給制度で対応したがるので、経済・・国・社会のあるべき姿からゆがむのです。
底辺層の裾野=弱者の方が多数ですから、近代国家は、長期的には衆愚政治になる傾向がある点については、05/23/08「格差是正3と大衆迎合主義2」などで何回か書きました。
わが国の超低金利政策は、03/19/08「サブプライム問題と世界経済5(円の大量供給の功罪1)」前後でコラムで紹介しましたが、バブル崩壊以降、円キャリー取引と言う熟語が出来るほど、わが国は世界水準に比して超低金利で長期間しのいできたのです。
実勢相場と乖離する政府の関与程度の差に比例して、多くのボーダーライン層が、下から順次窮迫していき、借金層に組み込まれる結果になったはずです。
ところで、世界経済に目を転じますと、03/23/08「サブプライム問題の解決3(ドルの暴落)」前後のコラムで、アメリカは、サブプライムローン問題の結果、低金利政策に切り替えるしかない・・・そうするとドル安になるジレンマがあると書きました。
その後アメリカのドルはドル安に振れていましたが、こうなると基軸通貨国としての基本がガタガタになることに気づいて、最近ドル防衛を気にし始めました。
当面、ブッシュ大統領による異例とも言うべき、強いドル維持への言及程度の口先介入だけですから、その効果が限られていますが、本気で防衛するには金利上げによるドル吸い上げしかないでしょう。
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