07/03/08

低金利政策と国民経済1

話をローンの長期化政策に戻しますと、車に10年〜20年ローンがないのは、いくら先延ばししたくとも、車の寿命以上にローンだけ残るのでは、払う方が心理的に耐えられないし、前のローンが残っているのでは、次の車の買い替えをしてくれないからです。

この問題は、住宅ローンでも同じで、ローン期間ばかり長くしても、家の建て替えサイクルが短いのでは、国民がおいそれと乗ってきませんから、政府では、住宅品質保証制度を創設し、建築業界と組んで最近50年保障などがアッピールされるようになったのです。

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)(平成十一年六月二十三日法律第八十一号)は、民事再生法と同じ平成11年の制定です。

この問題は、03/28/07「消費先取りのシステム5と品確法1」以下で連載しました。

わが国では、こうして破綻を先送りしてきたのですが、このようなローンの長期化が限界に近づいて来たので、近年ではさしあたり金利低下だけを頼りにして、しのごうとしていると理解できます。

05/04/03「需給に反した値段を政府が維持出来るの?」で書いたように、購買力維持・上昇を図るには収入増から迫るのと、収入はそのままあるいは収入が低下しても、金利を下げれば、その分毎月の金利支払いが減って、破綻を先送りでき、購買力が上昇するからです。

しかも、価格維持効果を図れます。

もちろん、この金利下げによる政策効果があるのは借金漬けの人の場合に限られますから、それまで無借金で生活してきた人にとっては、不景気で収入が減少した以上は、これにあわせて不景気を理由に・・売れるところまで製品単価を下げてくれて、購買力を同じに保つ方が社会は健全だというのが私の考えです。

政府は、不景気になるといつも金利下げで対応し、購買力の維持を図って、製品価格の下落防止政策に働いてきました。

本来政府が関与しなければ、不景気がくれば、物が売れないのですから自然に不動産価格や製品価格が下がるべき筋合いですが、金利下げで購買力維持を図って下げ渋りさせていたのです。

こうした政策がなんらの疑問もなく継続されてきたのは、日本経済は、明治以降恒常的資金不足社会・・・借金でなり立っている企業が圧倒的に多い時代が長かったから、低金利政策 =産業保護になっていた・・合理的だったに過ぎません。

こうした社会では、低金利になれば多くの人や企業の購買力が維持されて、しかも借金の多い企業は自分の支払い負担も下がるので、一石2鳥の政策でした。

しかし、04/06/08 「バブル発生と後始末(大蔵省の責任)1」前後で書きましたが、わが国は経済大国になってから久しく、投資のための資金に困る時代ではなくなっていて、投資銀行はだいぶ前から用済みになっていたのです。

ですから低金利政策は、今では社会の多数を占める健全な企業や人には関係がなく、むしろ迷惑を受ける?企業が多くなっているのです。

 



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