07/29/07
相続税法57(贈与税の非課税財産1)
個人間の贈与でも、扶養家族間・・たとえば子供の生活費の仕送りなどは、第2号で非課税となります。
法人からの贈与が非課税と言うのは、すでに紹介したと思いますが、贈与は、相続の前渡し的要素があるから、相続税法に規定されているのですが、法人からの贈与にはこうした要素がないからです。
また、逆に法人への贈与も問題がないのでしょう。
この条文だけ見ると、個人から法人へ一旦贈与し、それを法人が本命の個人へ再贈与すると贈与税を免れることになります。
こうしたいわゆる藁人形の場合には、別の例外規定・・あるいは認定のルールがあるはずですから、よく調べた方がいいでしょう。
ところで、贈与税は不労所得に対して、高額課税すると言う制度のような理解をする方が多いのですが、それならば、誰から貰おうとも同じはずです。
贈与税の法が相続税法内にあること、このような例外規定があることからすれば、世上言われているような不労所得課税と言うよりは、相続税課税の脱法行為を防ぐため技術として制度化されていることが分かるでしょう。
戦前は何回も書いているように家督相続が基本でしたから、生前贈与は、相続人外に資産を与える例外的場合か、相続人にやる場合は、相続税を免れる意図以外に考え難かっただったでしょう。
長男以外・・次男などにまとまった財産を与える場合は分家と言う別の制度があったので、今のように法定相続を変更するために生前贈与は必要がなかったのです。
戦前の仕組みから言えば、脱税目的の利用法が中心でしたから、高率課税であるのは、相続税逃れを防止するための懲罰的課税だったといえるでしょうか?
戦後からは、相続が均分相続に変わったので、相続税逃れが目的と言うよりは、相続財産の集中・あるいは、他の相続人よりも多く貰いたいと言う法定相続の潜脱のための贈与が中心になってきたのです。
このように、戦後は逆に、法定均分相続の修正のための利用が増えてきたので、農業後継者のための一括農地贈与に対して、相続時まで延納を認め、かつ相続が開始すると、相続税として納めればいいという制度がすぐに創設されたのです。
さらには平成に入ってからの長引く不況対策として、相続時清算課税制度が創設され、あるいは時限立法でしたが、住宅資金目的のための贈与の非課税枠も大きくされて、政府は逆に贈与奨励策に転じているのです。
これらの詳細については、11/25/03租税特別措置法 1(相続時精算課税の特例1)以下で連載しました。
このため思想的に相続財産の前渡としての贈与に対する禁圧方針から、きちんと届出さえすれば推奨する方針へ原則と例外が大きく入れ替わったのです。
このコラムの冒頭にも書きましたが、租税特別措置法という、本来はちょっとした例外を定めたはずの規定のほうが、本来の税法よりも何倍も大きな膨大な法律になっている変な体系になっているのは、原則と例外が逆転したことによるとも言えるでしょう。
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