07/23/07

税と主権4(ふるさと納税1)

これまでの研究所の誘致は、アッパー層の雇用の確保の視点ですが、人口が減少してくれば雇用確保よりは、今後は税の取り合いとして考えるべき時代でしょう。
大株主や持ち株会社の誘致と生産工場や、研究所の誘致と、どちらを選ぶかと言う議論です。
今のところ、先進国の後進国への事業進出は、現地子会社設立形式ですから、法人税は現地政府にはいりますから、今のところ法人税と株主配当の取り合いだけですが、中期的には、法人税(所得税)は、縮小の傾向にいくしかないでしょう。
最近の株主配当性向を高めろという議論は、生産能力の世界平準化完成までは資本の出し手が強いので、現在の国際的資本移動に立脚した主張です。
日本人も銀行預金ばかりしていないで、株式や社債投資が進み、ひいては海外投資が盛んになってくると、現地企業の将来性にかける長期保有よりは、利益確定売りが普通になってくるでしょう。
そうなれば、日本人も配当性向の高低が気になるようになるのは目に見えています。
株主配当性向を高めると、利益からの現地再投下資本がその分減少します。
それはそれで、一旦出た利益は全部投資家に還元して、次の投資には、新株発行または社債の発行などで、再度投資家を募るほうが合理的でしょう。
日本のように、一旦投資を受けた資本で事業に成功すると、投資家の意向を聞かずに、社長・経営陣の判断で、その資金で新な事業に再投資をするのは僭越です。
一旦預かった資金による利益を投資家に利益還元して、再度特定事業に対する投資を募りこれに対する賛否(投資家が応じるかどうか)を問う方が民主的でしょう。
森ビルは、いわゆるヒルズ(六本木や上海など)で成功していますが、有利子負債が巨額になりすぎて資金繰りのためにひとつのプロジェクトごとに投資を募らざるを得なくなっていますが、その分投資家のシビアーな判断があって、合理的です。
ただし、現地政府としては、資本を出来るだけ流出させたくないのは人情ですから、中国その他の中進国と先進国のセメギ合いが続くのでしょう。
これからは、山の手と下町(芦屋と尼崎)という小さな区分ではなく、資本家の住む国と事業所のある国・・地域に分かれるとしても、それはそれで良いと割り切る時代が来るのかもしれません。
そうは言っても、意識の変化は遅いものですから、まだまだ数百年単位で主権国家がなくならないだろうというのが私の予想ですが、これと同じ位の期間、意識その他の関係で、割り切るのは無理な感じがします。
こうした資本輸出国と現地生産設備設置国の争いを国内的に予行演習しているのが、富裕な東京都など大都市が手に入れている「法人事業税を地方へ委譲せよ」という議論と言えるでしょう。



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