07/18/07
帳簿の多目的利用の弊3(帳簿の正確性2)
下請負企業の殆どが元請け発注社員に支払っているバックマージンなどは、領収書もないし、帳簿に載せようのない支出です。
こうした支出は、社長の個人借り入れとして記載されていることがあります。
倒産企業などでは、そこに至るまでには,社長個人の預貯金をつぎ込み自宅まで担保に入れたり、先祖伝来の土地を売却して経営資金につぎ込んでいるのが普通です。
こういう場合、本来は、社長の会社への貸し付け形式になるべきですが、逆に社長個人借り入れが多いのは、高利貸への支払いや、バックマージンなどを、個人のお金で払った形式にせざるを得ないからです。
最初に高利から借りて、会社の支払い資金に当てた時には、社長個人の会社への貸付になり得ますが、・・この形式では、赤字決算になるので、実際には、売り上げを膨らましたりして収支の帳尻を合わせるのが普通です。
帳簿に社長個人からの借り入れを載せた場合でも、高金利支払い分を帳簿に載せられないために、売上金から自転車操業的に会社の資金で払わざるを得なくなって来ると、社長の借り入れ形式になってくるのです。
税理士の作る帳簿は、税務申告のための帳簿でしかないし、その上、出来上がった帳簿は、上記のようにいろんな目的に使う関係で、経営の実態を反映しなくなっているのを肌で知っているのが事業主本人です。
事業主は、自分が経営実態を知るためではなく、税金を払うためにさらに上乗せコスト必要悪として税理士に頼んで、税務申告用の帳簿を作っているだけになっているのです。
帳簿に限らず各種記録の正確性を担保するには、これまで書いているように、多目的利用は最悪の制度というべきでしょう。
帳簿類の正確を期するには、個々人のモラルを強調するよりは、多目的利用をやめる方向に制度改正すること方が先決です。
たとえば、公共工事入札資格についても、決算書を提出させて赤字だと入札資格を認めていません。
決算書など見ても、本当のことは分からないのですから、もしも不良工事や工事途中の倒産を心配するならば、そんな当てにならないものに頼らずに、同業他社または同業組合での工事保障(ボンド)形式を採用するのが合理的です。
ボンド形式の採用については、談合防止に関しても有効であることを、05/17/03・・3
「価格競争と品質保持 1」以下のコラムで連載しました。
銀行など金融業者も、独自の信用調査に基づき、リスク管理して貸し付けるべきであって、他人の作った帳簿をそのまま利用しようとするのは怠慢です。
前回書いたように、金融機関は実際には決算書などそれほど信用していないのですが、形式的に決算書を出させて、何かかあると虚偽の帳簿提出を捉えて「詐欺だ」と脅す材料に使っているのって汚いやり方ではないでしょうか?
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