07/17/07

帳簿の多目的利用の弊1(税理士法1)

商業帳簿の話にもどしますと、巷では、零細事業者に関する会計帳簿作成のプロのことを、会計士というのではなく、税理士というのですが、こういう変な税務署の下請けみたいな職業名が普通になっていることからも分かるように、零細事業者では、
  「帳簿は税務署提出用に作らねばならないもの」
という意識になっているのです。
現在の中小企業は、経営の状態を知るために帳簿を作っているのではなく、税務申告のために税理士に毎月お金をはらって、帳簿を造ってもらっているのが普通です。
毎月の売り上げ伝票をそのまま、ガサッと税理士事務所に届けて、後はお任せというスタイルが多いのです。
彼らは、税務申告の代理として頼んでいるだけで、事業実態を知るための帳簿という意識はありません。
これは、個人事業者だけではなく、「勘定あって銭足らず」の俗諺が生まれているように、大手も、ここ数年キャッシュフローが重視されるようになったのは、これをあらわしています。
07/15/07「相続税と文化の承継2(利用・消費税2)」のコラムで、黒字倒産について少し書きましたが、帳簿上の黒字と現実が乖離しているので、実態に戻る必要が出てきたのです。
キャッシュフローなどという大げさ表現ですと、何か新しいことのようですが、要は、零細事業者同様に現金勘定を無視できなくなったということです。
税理士法を紹介しておきましょう。
以下に明らかなように、税理士制度は、税務申告のためにあるのであって、事業経営の合理化のために存在しているのではないのです。
ですから、税理士の給源を試験制度で一般に開放しているものの、税務署を退職した職員には至れり尽くせりで、資格取得が容易になっている理由がうなづけるでしょう。

税理士法(昭和26・6・15・法律237号 ) 
(税理士の使命)
第1条 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。
(税理士の業務)
第2条 税理士は、他人の求めに応じ、租税(印紙税、登録免許税、関税、法定外普通税(地方税法(昭和25年法律第226号)第13条の3第4項に規定する道府県法定外普通税及び市町村法定外普通税をいう。)法定外目的税(同項に規定する法定外目的税をいう。)その他の政令で定めるものを除く。以下同じ。)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。
 以下省略



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