07/14/07

相続税法51(遺産課税から取得課税へ2)

話を元に戻して、相続人が子供だけ・すなわち代替りの場合の相続税は、どうあるべきでしょうか?
「相続税法 14(跡取り優遇制度4)」のコラムで書いたように、今では殆どの家族が、親子別所帯になっていて、関東と関西などかなり離れて住んでいることが結構あります。
また同じ首都圏でも、千葉に親が残って、子供が神奈川や埼玉に就職して、住み着いている場合もかなりあります。
こういう場合、親の死亡後親の住んでいた家を使う人がいないのですが、何となくすぐには売る気持ちにはなれないものです。
誰も使わないで放置しておくだけでは仕方ないので、そのうちに誰かが言い出して、親の住んでいた家を売却して、お金で分配することになります。
今は基礎控除がありますので、これをいくらまで認めるべきかと言う議論になっていますが、基礎控除がかなり少なくなってしまう(例えば1人1000万円、まで)とどうでしょう。
世代が変わるときだけ(即ち配偶者がいるときは、相続税が一切生じないと言う私の考えを前提にしたときの話です。)相続税がかかる仕組みにすれば、仮に、基礎控除だけでは、住んでいる家を売らねば、相続税が払えないと言う事態になったとしても、それ程ひどい税制とは言えません。
今では、両親ともに死亡した場合には、もともと相続した家を空家のまま放置し、そのうちに売る人が、大多数だからです。
どうせ、住んでいない家ならば、処分して兄弟で売却金を分配し、税金も払えばいいのです。
相続人が居住していて、処分困難なときには、例外的に申告によって処分するときまで、相続税のうち一定額までの延納を認めればいいのです。
その間の延滞利息と使用料相当額が引き合うでしょう。
また身体障害者など、特別保護すべきときには、特別な控除が今でもありますし、これの拡充をすればいいのです。
現在でもそうした未成年者特別控除制度などがありますので、特別事情は心配がありません。
均分相続を理想とする税制にし、基礎控除を少なくしたからと言って、それが原因で世襲できなくなるのではなく、先に核家族化や競争社会が完成期に来て、世襲できない社会が出来上がっているのですから、税制も社会にあわせるべきでしょう
今になれば、昭和33年以前の各自の取得額に応じた課税体系に戻した方が、社会実態に合致したものになると思いますが、どうでしょうか?
逆に言えば、占領政策下でアメリカ式の税制を導入したものの、まだ、核家族化の進んでいなかったわが国では、取得課税方式は無理があったと言え、それがいまは合理的になったともいえるでしょう。
住宅政策・・固定資産税もそうですが、すべての分野で、戦後のパラダイムを作り直すべき時期がずっと前から来ているのです。
憲法改正・・自主憲法制定などと言う上滑りなことではなく、いろんな分野で戦後システムに無理が来ているのですから、足元から作り変えるべき時代です。



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