07/14/07

相続税法 49(遺産課税と非嫡出子差別の撤廃1)民法214

話がだいぶずれましたが、ここで、また昭和33年改正法と現行相続税法の関係に戻ります。
戦前の制度は、相続人の親疎によって控除が違う形式でしたが、このときに、
「親疎を問わず平等化し、簡略化した」
と言われています。
配偶者かどうかも問題にしなくなったことは、06/22/07「相続税法 43(配偶者相続の非課税と税の本質1」までのコラムで書きました。
嫡出子かどうかによる区別もなくしました。
これを、民法でも相続分を平等にするならば、進んだ考えですが、民法で相続分を差別したまま基礎控除だけフラットにするのは、どういう意味があると思いますか?
非嫡出子の相続分を半分にする民法の規定は、合理性に疑問があるので繰り返し、その違憲性が問われています。
この判例については、平成15年7月19日の「相続分1」のコラムでも紹介しましたし、その後に出た判例については、(税法のコラムに深入りしてしまって、平成15年11月3日の「相続分8(民法110)のコラム以来中断していますが、)相続分のコラムを再開したときに、その判例も紹介し、もう一度非嫡出子差別の合理性?について触れる予定です。
民法の非嫡出子差別は、合理的な差別ではない(最高裁の違憲判決があるまでは、疑いがある段階か?)ことから、法制審議会でも改正すべきであると答申されているほどですが、そっちはほっかむりしておきながら、税法だけ何故昭和33年(今から45年も前ですよ)から差別をなくしたかを、問題にしているのです。
私は、昭和33年に遺産取得課税から遺産総額への課税形式への改正し、これに伴う現行の基礎控除形式を採用した理由は、一つには、まだ核家族社会になっていなかったわが国の実情に合わせるとともに、第2に家の制度温存の為の保守勢力による巻き返しでもあったと解釈しています。
(相続税法シリーズで繰り返し書いていますが、期間が開きすぎましたので気になる方は、12/08/06・・2「相続税法32(法の中立性?)」前後を検索して見直してください。)
この立場から考えると、33年相続税法の画一的控除システムは、一見差別をなくしたようでいて、単に跡取が独り占めするときの控除を大きくしただけのことだと思うのです。
このころは、すでに長男がいざとなれば弟妹全部の面倒を見ることが経済上不可能な状態であったことを繰り返してきましたが、まだ建前上は長男が全部相続しその代わり、弟妹の面倒を見ると言う(実態を無視した)思想が濃厚でした。
そのうち、少なくとも母親の老後をみるという形に修正されてきましたが・・・・これも無理になって、寄与分の法制化や介護の社会化になってきたのです。

民法
(寄与分)
第904条の2 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
《改正》平16法147
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
《改正》平16法147
4 第2項の請求は、第907条第2項の規定による請求があった場合又は第910条に規定する場合にすることができる。



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