07/03/07

遺産分けと相続2(民法209)女性の相続権

このように農業後継者確保と均分相続の調和?のために巻き返しがあったのですが、平成に入ると、今度は、高齢化の進展でいつまでも次世代への財産移転が遅れるのが、不景気対策として問題となってきました。
そこで、ここ約4年前に出来たのが、相続時精算課税制度でした。
相続時精算課税制度については、11/25/03租税特別措置法 1(相続時精算課税の特例1)
以下で紹介しました。
この場合も、結局は相続税で良いことになります。
農業後継者同様に特例適用の申請をしなければ、認められませんので、脱税(取り損なう)心配がないことが大きいでしょう。
江戸時代までは、遺産分けといっても基本は生前の分配で、分家・新宅以外は相続というよりは持参金制度で、しかも1代限りでしたから家産は分散しなかったのです。
分家は事実上永久的ですが、あるいは君主から与えられた領地はいつでも召し上げ可能な建前であったように、分家や新宅も建て前上は、本家がいつでも取り戻せる建て前があったのかもしれません。
当時の権利関係を、今の所有権概念で考察すると誤ることになります。
娘が男子と同じ割合で貰って(一種の相続)ても、1代限りで戻ってくるなら良かったのですが、明治の民法制定で、妻の無能力=持って行った財産を嫁ぎ先の夫が自由に処分できることになってしまいました。
(カトリックの例として、07/01/07「離婚の自由2(民法201)カトリックと持参金」のコラムで紹介しましたが、西洋ではそうでした)
しかも、江戸時代までの持参金(お金だけでなく支度金を含みます)の意味が、1代限りの生前贈与から相続になって、死亡後も戻らない(婚家の遺産として承継されていきます)完全な所有権が移る明治の法制度になると様子が変わってきます。
ちなみに所有権と言う概念も明治になってからのことであって、それまではいろんな制限つきの権利というか重層的且つ期間制限付などいろいろなものでしたから、今とは違うのです。
明治民法以降は、実家としては、嫁に行く娘に多くを持たせると財産が永久に分散してしまうばかりか、夫に使い込まれるリスクが大きいのでうっかり娘に持たせ(相続させ)られません。
こうして、長男子単独家督相続制が定着して言ったのです。
そして、民法制定の明治30年代以降敗戦までのわずか4〜50年前後の制度が、男子単独相続制が古代から続いているかのごとき幻想を国民に振りまいていると言う次第です。



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