07/02/07
配偶者相続と所有権の多様性3(民法206)
配偶者が全部相続すべきだという意見については、10/31/03「相続分5(民法107)(配偶者相続分の変遷3)(労働者の持ち家)」以下で連載し、その他でも繰り返し書いてきました。
子供のいない夫婦で配偶者が全部相続すると、夫婦で100%作った財産の場合はいいのですが、先祖・・親から来た財産の場合・・農家などは、嫁さんの系統に行ってしまう結果に抵抗があるのは当然です。
その解決のためにモンゴル族などの、族長などが死ぬと残された妻が夫の弟その他の一族と再婚する習俗が生まれたのでしょうし、わが国でもつい最近までこうした習俗が残っていたのです。
最近亡くなったと思いますが、俳人鈴木真砂女の生涯を描いた瀬戸内寂聴作の「いよよ華やぐ」でも、こうした習俗が出てきます。
こうした風習・習俗は、古くは匈奴、中世ではモンゴルなど漠北の民族とわが国だけのことですから、朝鮮や中国では、中華文明に浴さない野蛮・奇異な風習として、馬鹿にされてきたものです。
この話題については、01/16/04「同姓娶らず 6(匈奴、台湾、日本の男女関係)」のコラムで連載しました。
こうした場合、相続といっても一代限りにして、その嫁さんがなくなったり再婚したら、夫の家の系統・・跡取りの弟などが相続できるようなら、無理に夫の兄弟と再婚する必要もないし、揉め事が少ないのです。
子がいないときの配偶者相続分は、現行法でも、以下のとおり割合がかなり上昇しますが、事例によっては、先祖代々の資産がお嫁さんの系統に流れることに大きな抵抗があって、紛糾することが多いのです。
その意味では、配偶者相続分を全部にするか4分の3〜3分の2かの問題ではなく配偶者取得後の権利関係の修正の問題でしょう。
民法
(法定相続分)
第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
1.子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
2.配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
3.配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
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