07/31/06

国選化現象への対応1(サービスと対価の比例関係3)

他方で捜査側では官僚主義の特徴として、コストを考えない精密司法が際限なく進みますが、これに対抗する弁護側では、費用的に持たなくなってきたのです。
捜査費用に制限がない現状で、国選費用だけ制限されていたのでは、バランスが崩れてしまい、早晩刑事弁護体制が崩壊してしまうでしょう。
そして、ここ10日間ほど書いて来たように、事件の複雑化に合せて、増大するコストを負担する者がいなくなってしまったので、刑事弁護の熟練者がいなくなってしまう危険・・・・・・刑事弁護全体が破綻する危険が間近に迫ってきたのです。
もしも、私選と国選とによって、サービスの差別化が許されないと言う大前提をたてて、その検討すら拒否するならば、費用の安い国選弁護依頼になだれ込むのは当然の帰結です。
その結果、刑事事件のほぼ全部が国選弁護になっていくとすれば、国の方で、私選同様・・・すなわちコスト以上(コピー代や交通費などの実費だけでは弁護士は食べていけません)の国選報酬を払わない限り、国選制度は破綻してしまいます。
自治体で盛行している無料法律相談もそうですが、自治体は税金を貰っているので無料のサービスをするのは、勝手ですが、・・・・あるいは、デパートもそれなりの顧客還元策としている以上は、無料でもいいでしょうが、そこへ出張相談を頼まれる弁護士には、そのような義務はないのですから、きちんとしたコスト+報酬を払うべきでしょう。
自治体が無料の文化事業をやっている場合、その場所の設営や受付などする役人の給料まで無料または値下げしないのと同じです。
これと同じで、弁護人選任権保障のために国のサービスとして低廉な費用でサービス提供が政策上必要かどうかについては為政者の考えることですが、その低廉サービスによるマイナスコストを弁護士に押しつけるのはお門違いではないかと言うことです。
私の言うキレイ事ばかり言っている咎めと言うのは、こうしたサービスの差別化の必要性などの議論を避けて来たことを言うのです。
とりわけ、生活保護と違い刑事弁護で国選申請があった場合、時間をかけて調査する時間がないので、とりあえず国選を選任するしかないのは致し方のないところです。
問題は、その後に資力があった事が分かった場合に、負担させる費用額が問題なのです。
被告人に支払い能力があるのが分かっても、国選の無茶安い費用だけしか負担しなくてもいいのでは、解決にならないのです。
あとで、お金持ちだったとバレても、結果的に合計10万程度しか負担しなくてよいなら、私選(自分で弁護士を頼む)よりも格安に決まっていますから、先ず、みんな国選弁護を選択してしまうでしょう。



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