07/28/06
国選報酬の重要性5
他方、検事の方は、今でも、302号法廷ならば302号法廷専属で朝から晩まで、連続立会いが原則ですから、その法廷備え付けの映像機械の動かし方、裁判官のクセなどには、熟練しているのです。
その他の証拠の取捨選択・読みの能力にも、大きな格差がつくでしょう。
一言で言えば、弁護側の能力不足になるのです。
今は、多くの弁護士が、赤字でもある程度対等にがんばっていますが、これからは検事と弁護士とでは格段に能力差がつくような気がします。
これは、個人の資質と言うよりも、制度的な問題でしょうから、司法制度の健全性から見て問題です。
何故このようなことになってきたかと言えば、一つには複雑な事件が増えて来たことが第1の原因です。
事件が複雑なことから、事前整理手続が始ったのですが、これに対応して、複雑な事件と簡略な事件を分類し、簡略な事件は一回結審して司法手続きの負担を軽くする代わり、複雑な事件には思いっきり時間をかけるようになったことにあるのです。
これまでは、運良く簡単な事件に当たることもあれば、複雑な事件に当たることもあると言うことで、バランスが取れていた面もあったのです。
今度は分類して、簡単な一回の事件は、費用をこれまでの約半額にし、その代わり、公判回数の多い事件には多く支払うと言う触れ込みです。
これが、それぞれペイするように報酬を支払ってくれるなら、弁護人も複雑な事件に専門化していけるのですが、自分ひとりでさえ食べて行けないような安い報酬でやらされたのでは、専門化しょうがないでしょう。
従来の日当4000円を倍額の一回8000円前後の報酬に引き上げましたと、言うことは立派ですが、無茶に大変な・・その事件にかかりっきりにならなければならないような事件の場合には、この程度では誰もやれないのではないかと言うことです。
結局簡略な事件も複雑な事件も、全体に報酬が低すぎるのが問題なのです。
他方で、弁護士の大量増員政策の実施ですから、これからの弁護士は経済的に余裕がなくなり、無償に近い報酬で1年もかかりきりになることが、殆ど不可能になってくると思われます。
これでは、「刑事弁護は手抜きでやってくれ」と言うのと同じじゃないの!と評価されるのではないでしょうか?
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