07/27/06
国選報酬の重要性3(武器対等の原則3)
山の中の現場などの実地検分などに行く費用など考えても分かるでしょうが、警察は事件直後に国費で、何回でも出かけているのに、弁護側は事件後数ヶ月経ってから自費で行かねばならない・・・交通費の問題だけでなくそのかかる時間・・日当その他総てのことです・・・・など不公平なことが多いのです。
一回見に行くだけでも大変です。
こうしたことに加えて、公判が映像利用など大掛かりになってくると、弁護側の費用的不利は明らかです。
最近の事件は、7月17日に書いたように広域化していて、しかも多数犯罪の積み上げですから、刑事事件の規模が大きくなっているのです。
弁護側も本気で戦おうとすると、膨大な資料の山と格闘しなければならなくなっているし、事件現場も遠くに分散している傾向があるので、コストが半端でなくなってきます。
もっと重要なことですが、前回冒頭まで書いて来たコース別裁判類型・・・弁護類型の制度設計は、検察と弁護側に習熟度の格差発生問題を引き起こすのは必至です。
検察官は、即決手続担当と、通常手続担当に分業すれば、専門化が進み熟練することが明らかです。
もちろん裁判官もこのようなコース別配点をされると、即決事件ばかりやっている裁判官には、通常公判事件の経験が育ちませんが、他方で、複雑事件ばかり担当する裁判官は専門化が進みます。
裁判官にも流れ作業要員としての2級判事と1級判事の類型が出来るのでしょうか?
このように分業した場合、即決判決手続ばかりやらされると、裁判官と言ってもロボットみたいですから、みんな嫌になって退官してしまうでしょう。
そうなると簡裁判事のような特例裁判官(書記官から一定の任用試験に合格したもの)が即決手続までやれると言う、別の裁判所の創設または、2級判事が出来てくる可能性もあるでしょうか。
即決手続しか出来ない裁判官が生まれてくると、通常手続きをしたことのない裁判官が、即決裁判手続を不相当として通常手続へ移行できる制度になっていると言っても、そのような判断を出来る訳がないのです。
今よりももっと通常移行判断を出来る可能性は低くなり、実際上皆無になるでしょう。
不相当と決定した判事が、自分でその裁判を担当出来ないし、したこともないのに、無罪にする自信などある筈がないからです。
当面は、従来の弁護士のように運不運程度のばらつきにするために、各刑事部に一定割合で平均的に即決裁判手続を割り当てることになるのでしょうか?
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