07/26/06

即決裁判手続10と検察官の権限強化2

そのうえ、即決手続では弁護人は、2件以上同時受任する制度設計ですから、千葉東署と勝浦署とか佐倉と茂原署など離れた警察にいるそれぞれの被疑者に、続けて面会しなければならず、短期間に大変な作業量です。
同じ日に公判が入る被疑者数名が同じ警察に勾留されていれば、効率が良いのですが、同じ警察で同時に別々の事件で何人も逮捕することは稀でしょうから、同じ日に満期が来る被疑者が同じ警察に勾留されている事は滅多に考えられないのです。
共犯関係で喧嘩の現場で同時に何人も逮捕されることがありますが、この場合は、被疑者同士の謀議を防ぐために別の警察に分散留置するのが原則ですから、かえって同じ警察署にはいないのです。逆に共犯関係の場合、順次逮捕していくのが普通です。
例えば、窃盗でも覚せい剤でも、同日逮捕では1人または主任刑事1人では同時に調べ切れませんので、48時間内の検察官送致や10日内の捜査完了まで間に合いません。そこで、一緒に出頭されたら困ると言うのが警察の立場です。
ある程度最初の1人の調べが進んで、筋書きが大筋決まったところで、次に逮捕して、その筋書きがあってるかどうか確認しながら、順次捜査が進んでいくのが現状です。したがって、共犯の場合には、かえって同時逮捕はないのが普通です。
このように離れた場所に勾留されている各被疑者に短時間で面会して、意見を決めて行くのですから、もう一度確認に行くなどの時間が取れないのが原則です。
そこで、こうした弁護士会側の反発に対し、法律では、意見留保でもいいと言う形で妥協した条文が出来上がっています。そして公判開始時までに決定的な意見を言えば良いと言うのですが、それも起訴後公判まで2週間程度しか見ていないことと、検察からの証拠開示が、起訴後どのくらいで行われるかにもよりますが、弁護側としては証拠開示後数日内に被告人(2人以上です)に再度面会して意向を確認したりの作業に追われて、被告人以外の第3者・・関係者に確認するようなヒマは有りません。
結局検察のお膳立てした矛盾がないようにつくられた調書を読むのがやっとで、時間切れになる仕組みです。こう言う状態で、被告人が「執行猶予なら良い」と言ってるのに、弁護人が「無罪の可能性があるから即決手続など蹴飛ばして頑張れ!」と言う自信をもてることは有りえないでしょう。
結局検察官の手玉に取られているだけです。



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