07/25/06
即決裁判手続8と裁判所の役割変化1
起訴処分の中には、これまで書いて来た略式請求と公判請求に分かれます。
この段階で、略式請求すなわち罰金になると言うのは、同じ前科と言っても前科の持つ重みも違いますし、「金を払っておしまい」と言うのは、何となく無罪釈放に似た印象です。
嫌疑不十分よりも、後腐れのない分けじめのつく良い面もあります。
この段階で、公判請求となれば、本格的な犯罪者扱いと言うことになり、もしかしたら刑務所に行ってもらうと言う国家の意思表示でもあるのです。略式制度が出来た以降、略式請求を受けず公判請求された事件では、罰金になる事例は、皆無に近いのです。法定刑に懲役刑と罰金刑の選択制になっている道交法違反や業務上傷害、傷害罪などの場合のことです。
一旦公判請求され、罰金になった事例を扱った弁護士は殆どいないでしょう。
そうなる事例は、検察の公判請求の乱用と言う評価で、検察にとって一種の黒星と位置付けられています。
そこで、公判請求された被告人は、もう罰金はないと言うことから、判決の結果に恐れおののいているのが普通です。
同じように、即決手続が創設されることによって、即決裁判手続の請求を受けなかった通常手続に附された事件では、実刑相当事案・・・・・実刑判決しかないと言う一般的運用になってしまう問題点を後に書きます。
そこで、これまでは、公判請求された被告人は、凄い反省して裁判に臨み、その結果、裁判所に強く叱責されたりしながら、更に心底から反省した様子が見えた場合、今回だけは許してやろうという執行猶予制度が生まれてきたのです。ところが、即決制度が出来ると、公判請求以前に即決手続の申立てをするために、被告人から予め同意を取りつけなければならなくなったのです。条文を見ると、勾留10日以内に処理できる事案軽微な事件となっているので、検察官は、第1回勾留の10日以内に、この旨の説明を被告人にして、その同意を文書で取得する必要があります。と、言うことは捜査期間・・勾留期間中から「あなたは執行猶予ですよ」と説明しなければならなくなったことを意味するでしょう。その上で、後述の弁護人が必要なことから、「弁護士を知ってるなら、早く頼んでくれ」とせっつく必要があるのです。
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