07/25/06
即決裁判手続7と裁判所の役割
執行猶予になるか実刑になるかは、当事者にとっては死活的重要性のある判断・・・裁判の核心をなす重要な判断ですが、この分野まで検察が決めてしまうのが良いかどうかでしょう。
有罪無罪の別は言うまでもなく重要ですが、これは統計上100%近い有罪率ですから、当事者の多くにとっては実際上の価値観は低いのです。
裁判になった被告人の多くは、有罪を認めているのですから、刑務所に行くか行かないかが関心の殆どでしょう。
実刑になるにしても、懲役1年か1年2月かあるいは、懲役4年か5年になるかどうかの違いは、大きいと言えば大きいですが、その予想が外れた場合に比べれば、刑務所に行くか行かないかの予想のはずれの方が影響が大きいと言えばいいでしょうか?
ここで、即決手続の創設が、裁判所の果たす刑事政策的効果・・役割比重の低下の問題を見ておきましょう。
刑事手続きの段階を素描しますと、先ず、警察から任意の呼び出しによる事情聴取を受けるだけでも、かなり精神的に落ち込むものです。
その次に逮捕となると、またショックでしょう。逮捕に続く勾留決定も軽微な事件では、ショックが大きいものです。
昨日連絡があって、面会に行って来た被疑者の場合、酔っ払って風船を膨らませたが、サインを拒んだらイキナリ逮捕されてしまった。
納得出来なかったが、それでも翌日には釈放されるとかと思ったら、10日間の勾留になってしまったので、これでは商売がつぶれるので、先生に電話して来てもらったと言うのです。
第3の段階・・勾留延長10日については、大方の人はその間に弁護士の説明などで、覚悟しているので、大したショックを受けません。第4の段階で、起訴不起訴が決まります。
詳しく分けると、不起訴の中には、嫌疑不十分で、再立件可能な事件と、罪とならず=無罪と起訴猶予処分があります。実務上、無罪処分は事実上行われず、嫌疑不十分処分にするのが原則です。
(以前紹介した不能犯を除いて、将来もしかしたら証拠が挙がる可能性もあるからでしょう)こんなこともあってか、殆どの人はこの区別をあまり気にせず、兎も角釈放になった喜びで一杯です。
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