07/23/06

略式手続と即決裁判手続の違い2(裁判所法11)

罰金か執行猶予にしか出来ないと言う、この略式による刑の制限は、簡易裁判所の権限の制限にもよるところが大きいのです。
例えば、道路交通法違反事件や業務上過失傷害事件は、罰金と懲役刑の選択性ですが、罰金刑にするだけならば、簡易裁判所でも、権限があることになっているのです。このようにもともと簡裁には、原則として(窃盗などを除いて)罰金刑しか言い渡す権限がないのですから、略式で簡裁に請求が来たときに罰金刑しか言い渡せないとしても裁判権の侵害にならないのです。(もともと簡裁判事には、一定の例外を除いて罰金刑しか言い渡す権限がないのですから・・・)
簡裁判事が懲役刑相当と思えば、以下に紹介する裁判所法第33条3項で地裁に移送することになっているのですから、これはもともと地裁簡裁の制度上の問題なのです。
簡易裁判所の歴史については、07/17/05「奉行所から警察署へ・・違警罪即決例1」で書き始めていたところですが、その続きは、このシリーズ後のコラムで紹介する予定です。
裁判所法を見ましょう。

裁判所法
(裁判権)
第33条 簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。
1.訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)
2.罰金以下の刑に当たる罪、選択刑として罰金が定められている罪又は刑法第186条、第252条若しくは第256条の罪に係る訴訟(第31条の3第1項第4号の訴訟を除く。)
《改正》平15法128
《改正》平18法036
2 簡易裁判所は、禁錮以上の刑を科することができない。ただし、刑法第130条の罪若しくはその未遂罪、同法第186条の罪、同法第235条の罪若しくはその未遂罪、同法第252条、 第254条若しくは 第256条の罪、古物営業法(昭和24年法律第108号)第31条から第33条までの罪若しくは質屋営業法(昭和25年法律第158号)第30条から第32条までの罪に係る事件又はこれらの罪と他の罪とにつき刑法第54条第1項の規定によりこれらの罪の刑をもつて処断すべき事件においては、3年以下の懲役を科することができる。
3 簡易裁判所は、前項の制限を超える刑を科するのを相当と認めるときは、訴訟法の定めるところにより事件を地方裁判所に移さなければならない。



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