07/23/06
執行猶予2(刑法60)の効力
ところで、これまでの議論の前提となる執行猶予判決の効力について、これまで説明したことがなかったように思いますので、少し説明しておきましょう。
刑法
第二十七条 刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。
例えば、懲役1年執行猶予3年の刑の宣告を受けた場合で言えば、その判決が確定すれば、その日から3年間刑の執行が猶予されます。
この執行猶予のつかない、単純な懲役1年の刑であれば、判決の確定と同時に収監されて服役するのです。
このため、執行猶予のつかない判決の場合、実際に服役するので、一般に実刑判決と言われています。
ところが、執行猶予が付いていると、すぐには服役しないで(3年間執行猶予のときには)3年間、刑の執行を待ってくれるのです。
刑務所へ行くのを待ってもらうだけでは、ノイローゼ患者を増やすにだけで、意味がないようですが、この間に執行猶予が取り消されない限り、期間満了とともに、以前言い渡された判決、(懲役1年の刑の言い渡しの効力)の効力がなくなってしまい、もう服役する必要がなくなると言う制度です。
言い渡しの効力がなくなるというのは、服役しなくともよくなったと言うだけで、前科がなくなる訳では有りません。
ですから、執行猶予期間が終わってから事件を起こせば、これまで執行猶予になった事件があると言う前科調書が提出されます。
執行猶予の効果に話しを戻しますと、執行猶予になるか実刑になるかと言うことは、被告人にとっては刑務所に行くか行かないかの違いです。執行猶予になると言うことは、刑が懲役1年になるか2年になるかと言う違いよりも、あるいは、猶予期間が3年になるか4年になるか、保護観察が付くかどうかなどとは比較にならないほど大きな違いがあるのです。
即決判決手続で審理判決する以上は、執行猶予にするべく拘束されていても、執行猶予期間を1年にするか2年にするか、保護観察にするかどうかだけは裁判所が自由心証で決められるからこれも裁判であると言う人がいるでしょう。
しかし、刑務所に行くのかどうかの本質的重要事項を検事が決めていて、当事者にとっての関心・・重要性から見れば、オコボレみたいな裁量権・・役割しか裁判所に残っていないのです。
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