07/21/06

即決裁判手続2(刑事訴訟法43)裁判所の権限1

検事が即決裁判手続での審理申立てをするには、被告人の同意と弁護人の同意または意見留保していることが要件です、
そこで、検事がこの手続で請求してきても、裁判所がその申立てに拘束されることなく、「相当でないときを除いて」この手続で審理することを決定することになっているので、この手続で審理するかどうかについては、建前上裁判所が最終決定権を持っていることになっています。
「裁判所が自分で決めることが出来るのだから、その手続き選択の結果として判決内容の最も重要な部分が決まってしまっても、結果的に裁判所が裁判していることになるのではないか」と言えます。
裁判手続の途中経過における裁判長の発言で、裁判所はこのような心証を持ってるのかな?と推測されることはありますが、それでも判決のその瞬間まで、裁判所はどのような判断にするかの自由をもっているのが裁判と言うものです。
(刑を寛大にする前提で、被告人に厳しい態度を取る場合もあります。)
勿論手続きに関しては、自由裁量ではなく、一定の手続をとればその次の手続は不可避となるのが原則です。
証拠決定した以上は、最早その証拠の取調べを拒否できないのが、その例です。
手続と言うのは、連鎖的に積み上げられていく仕組みですから、前に決めた決定に裁判所も拘束されるのはルールとして当然です。
しかし、裁判所が手続きの仕方を決めるだけで、この手続きであれば、執行猶予の判決・・内容面での結論が予め決まっている仕組みって、裁判と言う名に値するかと言うことです。
勿論執行猶予であっても、言い渡す刑には懲役1年も2年も3年も有るでしょうし、保護観察の付く場合と付かない場合もあるでしょう。
裁判所には、この程度の裁量権があると言っても、執行猶予か実刑かの差ほど大きな差では有りません。
その上、この手続でやるかどうかの決定権を裁判所が持っていると言う建前ですが、実際にそのような権限を発動できる場合が、長い裁判官人生の中で、一回でもあるのかどうか?と言う現実問題です。
裁判官人生に一回発動できるかどうかの権限では、実際上は原則として権限がないのと変らないでしょう。



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