07/19/06
公判前整理手続と弁護人の過重負担1
昨年から始った公判前整理手続は、千葉ではかなり重たい事件だけ試験的に始めています。
実際、この事件に関与している人たちの話では、もう既に半年以上も経過して、なお整理中らしく、整理手続だけで約一年程度かかるそうです。
整理手続の常として、一定の資料や方針を示されると、これに対し何日間で回答できるかの問い合わせ、あるいは1週間でどうかなどのギリギリの設定で裁判所が聞いてきます。
こう言うギリギリの設定で進められて目一杯やっているのに、なおまだまだ公判準備段階だと言うのです。
その事件では、共犯関係が錯綜しているので、証拠開示として示された調書類だけでも、テーブルに満載状態で、読み込むだけで20日や30日かかってしまいそうな感じらしいのです。
開示したから「20日〜30日で意見を」と言われても、おいそれとは意見の言えるものではない・・・・資料の山にため息をついている状態だそうです。
もしも全部謄写したら謄写費用だけでも100万円前後になるかも知れない大量なもので、そのような巨額費用負担にたえられる被告人は、滅多にいないでしょうから、これからは私選弁護は不可能な時代が来るようです。
こうした大事件は、従来は元総理田中角栄のロッキード事件など、それなりの事件が中心でした。
彼の場合弁護費用だけで、億単位の資金を用意したと報道されていたものです。
このころは、7月17日のコラムで紹介したように、少年事件に毛の生えたような成人したばかりの若者グループや、不法残留者が食い詰めて、犯罪集団化した場合などが多く、膨大な数の窃盗あるいは凶悪事件で複雑な割には、経済力のない事件が多いので、国選になる比率が高まっているのです。
(私選になっても、50万〜100万円の用意がやっとで、この程度ではコピー代で消えてしまうのです。・・・田中角栄氏のように大金を用意できません。)
国選化して、このような中身の濃い状態で、半年も一年もかかりきりで弁護をやっていると、弁護士自身が食べていけなくなるでしょう。
そこで従来私選・・自分で頼んでいたレベルの経済力のある人でも、私戦を諦めて国選以来をする人の比率が上がると思われます。
国選の場合は、一回の整理手続きあたり公判に準じて日当を出すようですが、例えば、1週間ないし10日間記録の読みっ放しで、(その前後に被告人や相弁護人と打ち合わせなどして)やっと整理期日に間に合わせて、20日目に準備整理手続きに行くと、4000円プラスアルファしか日当が出ないのでは、(このハードワークが約1年続くのです)弁護士自身が生活保護を受けなくてはならなくなるでしょう。
市役所・福祉事務所の人から、弁護士など遊び半分は止めて「正業についてください」と指導を受ける時代がくるかもしれませんよ!
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