07/18/06
刑事訴訟法40(調書裁判の実態7)裁判員法への期待
321条が、弁護人側から証人申請しなくとも、検事側からの証人申請が必要な制度に逆転しているメリットを、17日の1のコラムで書きました。
ついでに言いますと、証人尋問でも、弁護人の申請だと裁判所は、何かと難色を示し、やっと採用しても、分刻みで時間を制限してくることが多いのです。
質問途中に「あと何分ですか?」と言う詰問ほど、こちらを焦らせる妨害は有りません。
それだけ、せこせこと介入してくるのに、検事の質問だとまるで無駄なこと(こちらから見ればの話です)を聞いていても、いくらでも許していることが多いものです。
仮に、証人尋問で覆っても、この特信性が簡単に認められますので、大方の場合検事調書が採用されるので、検事は調書作成に熱を上げるのです。
裁判所が、前記のパラパラ起訴に寛容なのは、調書に頼る裁判だから可能なのでしょう。
これがもう直ぐ始る裁判員法の施行で、公判供述中心になってくると、特信性も何もなくなってくるでしょうから、司法警察員調書の巻き直しは、意味がなくなってくるのを期待したいものです。
民間人には役人同士の親近感もないでしょうから、普通に調べたと言うだけでは、法廷の供述に比較して簡単に「特別信用」があるとは認められなくなるのを期待したいものです。
それで、検察庁はこれまで頑強に応じなかった取調べ状況の可視化に一部取り組む姿勢を示し始めたのです。
可視化と言っても一部ビデオテープに取ると言うだけですから、実際には意味が有りません。
ヤクザの恐喝事件でもそうですが、散々脅かすだけ、脅かしておいて、
「分かったらいいんだよ!」
と言うところから、にこやかに談笑しながら、
「じゃ、これにサインしてくれるか?」
「いいですよ。ここにサインすればいいですか?」
と言う流れになるのが多いのですが、脅した結果外見上にこやかになった場面からテープにとっても意味がないでしょう。
テープに取るならば、逮捕拘留の最初から最後まで一部始終のテープが必須です。
「証拠能力と証明力は別だから、見ることは構わないでしょう」
と言う便利な理屈も用意されていますから、もしかしたら、裁判員も検事調書を見たい誘惑に駆られて、なごやかなビデオを見せられたら、特信性ありと言う決定に組してしまうのでしょうか?
裁判員まで、公判の供述よりも、調書に首っ引きになって、判断するようになれば、せっかく
「健全な刑事司法になるかもしれない」
と言う触れ込みの、今回の改正は何だったのか?と言うことになり兼ねません。
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