07/17/06
刑事訴訟法36(調書裁判の実態6)追起訴の弊害1
このような、裁判所による法の精神に反した運用の結果、弁護人が証人尋問でせっかく努力しても、法廷証言と検事調書の食い違いがあると言うだけで、(特信性の縛りが役に立っていないのです)検事調書が採用されてしまうのですから、何のために頑張っているのか分からなくなります。
ま、この規定が全く役に立っていないのでは有りません。
この書証原則不採用の規定がなければ、弁護側で検事調書の弾劾のために証人申請しても余程の必要性を疎明しないと証人申請自体が採用されないでしょう。
それが、この条文のお蔭で、調書不同意になると、検事の方でその供述者の証人申請しなければ、被告人の有罪立証が出来ませんから、(ここで無罪の推定が働くのです・・・立証責任は検事の方にあります)証人調べにはいりやすくなっている利点は否めないでしょう。
(検事の申請は、殆どフリーパスで採用ですが・・・・、同じ国家機関として国家が必要と言うのだからと言う親近感があるのでしょう?)
戦後の刑事訴訟法では、検事も一方の当事者として、裁判所とは分離したはずなのに、官同士の一体感の精神状況は、戦前と変らないようです。
ちなみに最近の、訴訟の遅延の原因は殆どの場合検事の怠慢にあるのですが、その点に関しても裁判所は寛容です。
私が昨年から担当していた事件では、十数件の強姦事件、あるいは数百件の窃盗事件等最近は連続事件が多いのですが、これら事件の起訴が五月雨式でまとまって行われないのです。
連続事件が多くなったのは、犯罪者集団の機動性・・移動能力の向上が大きいでしょう。
窃盗団の場合、(このごろは単独犯が少なくて、一定のグループで行われるのが多いのですが・・・くるまの運転役、家の近くの見張り役、家に入る実行犯数人と言う組み合わせです)、その分一軒だけの侵入盗では一人頭の分け前が少なすぎるために、一晩に5〜6件盗みに入るのが普通です。
それが車の移動ですから、隣近所にまたはいるのではなく、簡単に十数キロ間隔で転々しているのです。
しかもその数日後には、信州へ行ったり京都へ行ったりですから、地元の不良に当たりをつけて、見込み捜査をしている従来型の捜査では全く捕まらないのです。
あるいは、一定地域内で連続発生する手口の共通性から、その円内の中心点を絞るなどして、犯人を絞り込む旧来の捜査手法は限界が来ているのです。
何かの職務質問等で発覚したところで、「この際全部話します」となって数百件の余罪となるのです。
犯罪の広域化と捜査の関係は、話が飛びすぎますので、また別の機会に書きましょう。
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