07/16/06

現行刑事訴訟法34(調書裁判の実態3・・伝聞法則2)

この刑事訴訟法は、戦後アメリカ式を持ち込んだものですが、アメリカでは、原則として法廷証言で白黒を決めるやリ方ですから、書証を提出できる場合を厳重に絞っているのは、当然でしょう。
ところが、このせっかくのアメリカ式も、以下に紹介する条文で、台無しになっているのです。刑事訴訟法第326条 検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。

上記条文の結果、実際の刑事裁判手続では、検察官から書証(関係者の取調べ調書です)の証拠請求があると、裁判所は、弁護人に対し、その書証の取調べに同意するか否かの意見を求めて来ます。
争いのない事件では、弁護人も不同意にして関係者に裁判に出て貰うまでもないと考えることが多く、つい、同意してしまいがちですから、殆どの事件では、書証のとりしらべによって裁判が行われることになります。
ちなみに条文では、被告人の同意となっていますが、被告人同席の法廷で、弁護人が同意し、被告人が異議を述べていないときは、被告人も同意したものと見なす判例があるからです。
実際、膨大な書証を被告人が見ることが事実上困難な状態ですから、弁護人の同意、不同意の意見しか実態的には機能しないのです。
これが現在言われている調書裁判といわれるものです。
証人が3時間かけてしゃべる程度の内容が、書面になっていると20〜30分もあれば、意味が分かるのですから、実際能率が良いことは確かです。
さらにもう一度、あるいは、自分の都合のよいときに何回でも読み返し出来るメリットもあります。
この結果、公判廷は書類やり取りの儀式の場と化してしまい、実際の判断は裁判官室での資料の綿密なチェックで行われていると言っても過言では有りません。
大筋で間違っていなくとも細かい言い回しなどで、被告人に不利に脚色されている場合が多く、調書取調べ方式は問題が多いのです。
ですから、事件自体争いがないと言っても、細かい言い分の違いは結構多いものですから、弁護人も細かい違いについては、部分的不同意を連発すべきでしょう。



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