07/15/06
現行刑事訴訟法32(調書裁判の実態2・・伝聞法則1)証拠能力1
先ず、第1号の裁判官面前調書が、最優先の証拠能力があるのは当然でしょう。
その次に証拠能力が認められているのが、第2号の検察官面前調書・・・検面です。
一応特信性等の条件が揃えば、後述の弁護人による同意がなくとも、公判廷に証拠として提出できることになっています。
これに対し、第3号を見てください。
その他の者の作成した調書では、弁護人の同意がない限り、死亡等の出廷不可能な事態がない限り、法廷に提出できない・・・格段に証拠能力が落ちる仕組みです。
裁判官面前調書は、公判の供述が、前の調書と違ったとき、それだけで証拠と出来るのに対し、検面調書は特信状況が要求され、更にその他のものが作成した調書では、死亡等公判で証言できないときしか、調書を公判に提出できないのです。
要するに供述者が国内にいる普通の場合、被害者の調書でも何でも検察官以外の者が作成した調書では法廷に出せないのです。
(警察官の作成した調書も、民間人の作成した文書も区別が有りません・・これまでも書いて来たように、明治以降敗戦まで警察はまだ民間に毛の生えた程度・準民間の扱いだったのです。)
なお、この証拠能力の違いについては、11/29/04、「司法警察員と司法巡査の違い(民営化の場合)刑事訴訟法13」でも少し書きました。
そこで、争いのありそうな内容の調書は、すべて検面調書に取り直す必要があるのが、現在の実務になっているのです。
実際、検察官面前調書でも、「その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限」って証拠に提出できるだけですから、法律上はかなり難しくなっているのです。
ちなみに、一般に
「私にはこう言う証拠がある」とか「証拠にできる」
と言う場合、決め手を持っているという意味に使うことが多いのですが、法律的にはオオイに違います。
証拠能力があると言う法的な意味は、公判に提出できると言うのとほぼ同義であって、それを裁判所が信用するかどうかは別問題とされています。
裁判所・・公判に提出して、裁判所(何回も書いていますが、場所を表わすものではなく、裁判体を意味します)に検討してもらえるかどうかを決めるのが、証拠能力の有無であり、証拠能力ありとして、公判廷に顕出されて、裁判所が前後検討した結果、その証拠を信用するかどうかは証明力の問題です。
刑事訴訟法
第2節 証 拠
第317条 事実の認定は、証拠による。
第318条 証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。
第319条 強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁がされた後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。
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