07/14/06

現行刑事訴訟法30(検察官21と警察の役割2)地検特捜部は時代遅れ?

前回まで紹介のとおり、現行法では、捜査の第1次担当者は警察官であり、検察官は背景に退き、191条で必要と認めるとき(公訴の維持のため)だけ、みづから捜査するようになってしまうのです。
犯罪があれば、公訴するかどうか別として捜査して、検挙しなければならない(「捜査すべし」)戦前とは大違いです。
そして検察官の主な職務は逮捕、勾留された被疑者の弁解を聞き、勾留請求したり調書を作り公判請求したりする請求官・原告官・法律家に変身したのです。
現在の検事は、判事や弁護士と同じ法律家であり、どちらかと言えば、戦前の予審判事の仕事の大部分を引き継いだのですが、裁判所の人から検察庁の人に変更したものと言えるでしょうか?
その分具体的な捜査の役割は、背景に退き、公判維持のための補充捜査権が原則となるのです。
後にも触れますが、現在東京、大阪の地検特捜部以外にはどこの検察庁でも、独自の捜査を殆どしていません。
巨悪を検挙する?地検特捜部が脚光をあびますが、実は旧刑訴法の残滓と言うべきで、いきなり捜査を全部警察に任せると能力に余るだろうと言う親心?で、温存してきたに過ぎません。
徳川時代から引き継いだ岡引き目明し、・・警察・・ら卒などの歴史を、11/21/04「岡引きはどうなったか?2(番人から羅卒・巡査へ)」前後で少し書きました。
もともと警察・・捜査機関の信用がない所から、戦前には予審判事制度が設けられ、戦後は捜査機関のトップに法律家である検事を配した検察制度となっているのです。
このような戦後の変化については、08/23/03「令状主義3(刑事訴訟法3)前後のコラムで紹介してきました。
現行法制定時には、明治以降の経験の積み重ねで、警察のレベルが次第に上がっていたことも、捜査を警察に委ねることになった背景にあったでしょう。
軽4輪車と言っても、今ではかなりのものになっているのと同じです。
スズキでは、小型車も作っていますし、結構乗り心地が良いのです。
英米で予審判事または、大陪審が発達したのは、英米では民間人が私訴出来るたて前になっているので、乱訴防止・ふるいに掛けるために発達してきたものだとも言われています。
しかし、07/11/06「知事と判事2(官の無謬性の弊1 )」以下で、官の無謬性・完全主義の批判でも書いて来ましたが、日本では、プロが担当しているので、むしろ厳選しすぎる弊害の方が大きいくらいで、そのような心配は日本にはないのです。
むしろ、微罪処分で繰り返し逮捕される弊害の方が、戦前では多かったのです。
そのため、警察の捜査した事件・逮捕した事件は、全件送致主義なっていることも、08/22/03「全件送致主義1(刑事訴訟法2)」のコラムで紹介しました。
日本で人権侵害防止のために重要なのは、乱訴防止よりも、身柄拘束に頼る現在の捜査をやめさせるべきでしょうし、このために、条文どおり原則保釈許可する運用の重要性でしょう。



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