07/14/06

旧刑訴法4(検察官19・・監視役兼捜査官)と現行刑事訴訟法28

話しをもとに戻しますと、明治初年の検事は、裁判所の監視役として出発したのですが、他方で刑事訴訟法の一翼をになう役割にもなって行きました。
そうなると裁判機構の一翼を担っている日常的な面では、自分で公判請求する権限もなく、現在の検事より一段地位が低かったことになります。
このようにして、訴訟構造に組み込まれて行きますと、裁判を受ける立場上裁判の監視役から、その訴訟指揮を受ける立場になった以上は・・下位に位置していくのは、必然の流れだったでしょう。
そこで戦前の検事は、訴訟法上何をするのが本職とされていたかについて、捜査の項を見ますと

旧刑事訴訟法
第1章 捜査
246条
   検事犯罪ありと思料するときは犯人および証拠を捜査すべし

となっていて、公訴官というよりも、捜査の責任者の位置付けでした。
その捜査の結果、公訴提起すると言う流れでしょう。
新聞などマスコミが、犯人「検挙」と報道する歴史が、ここにあるのです。
今では検察官の本職は、公訴提起の判断権者及び公訴の追行責任者が本職であって、その遂行のために補充捜査をするだけです。
比ゆ的にえば、捜査に関心があって、その結果公訴するのではなく、公訴に関心があって、その維持のために補充捜査すると言う逆の流れです。
現在では、犯罪の捜査・・「検挙」は警察の役割ですから、「検挙」と言う言い回しは時代に合っていないでしょう。
検(察)が草むらに?隠れている犯人を「検」査して「挙げる」時代は、戦前の役割でしかなく、今の表現としては正しくありません。
この関係は、08/03/05「検察庁法3(憲法115)」その他で書いて来ましたが、この際条文で紹介しておきましょう。またもや、現行刑事訴訟法です。

刑事訴訟法
第1章 捜 査
 
第189条 警察官は、それぞれ、他の法律又は国家公安委員会若しくは都道府県公安委員会の定めるところにより、司法警察職員として職務を行う。
2 司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。
 
第190条 森林、鉄道その他特別の事項について司法警察職員として職務を行うべき者及びその職務の範囲は、別に法律でこれを定める。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

 


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資