07/13/06
現行刑事訴訟法27(検察官18・・公訴官へ2)
前回紹介条文記載のとおり、公訴提起があった以上は、裁判所は、2週間以内に起訴状を被告人に送達しなければならず、自動的に公判開始に繋がる仕組みです。
起訴状受付後予審判事が、内々検討するチャンスは有りません。
また証拠の不備を検討したくとも、起訴状には、07/10/06・・2「刑事訴訟法23(予断排除の原則と起訴状一本主義2)」で紹介したように予断排除の原則から、起訴状一本しかなくて、何の資料も付いていないので、証拠の有無を検討することすら出来ないのです。
戦後は、受け付けた裁判所(予審判事)が証拠検討して証拠が足りないから止めたらどうかと言う後見的な、お世話をしてくれなくなったともいえるでしょう。
そこで、検察庁は、公訴提起前に内部的な決裁を幾重にも張り巡らせて、誤りのないようにしているのです。
極端に言えば、なんでもいいから先ず裁判所に出して見て、予審判事のチェックを受ければいいと言う、安易な起訴はできなくなったのです。
もとももと英米の予審判事ないし予備審問ないし大陪審制度は、日本と違って、誰でも民間人が起訴できると言う古来からの制度を前提に、(玉石混交の)起訴があったものについてプロの法律家がチェックし、ほんとに事件にすべきものかどうかの振るいにかけるために発達したものと言われています。
ここで言う起訴とは、日本で言うところの告訴や被害届みたいなものでしょうか。
このチェック機関を裁判所の機関とするのか、捜査機関の上に乗せるのかで、その官職の意味も、訴訟法の構造も変ってくるのです。
これを予審「判事」と言うのは、法律家がチェックするだけでなく、裁判所の機関が担当したからそういう名称になったのでしょうが、それでは、裁判所と捜査機関が癒着している関係になてしまい、裁判所の信用がなくなります。
こうした思想から、戦後はアメリカ式の当事者構造にし、捜査機関と裁判所は完全に縁を切り(起訴状一本主義)、裁判所は飽くまで、中立になったのです。
そのうえ、今では、法律家は判事だけでなく、捜査機関のトップである検事も弁護士もそうです。
(これを法曹3者と言います。)
そうして、現行法では、その起訴に値するかどうかのチェック機関として、法曹3者のうち捜査機関のトップに位置する検察官がその役割を担うことになったのですから、予審「判事」と言う翻訳は、今になるとおかしいのです。
戦前の予審判事は、どちらかというと起訴=公判請求)不起訴に際して、今の地方検察庁内の内部的決裁権者である検事正や次席検事のような役割りです。
ちなみに、千葉のような大きな庁では部長クラスが決裁していますが、法律上は検事は独人官庁ですから、決裁なしに検事が起訴しても、法律的には有効です。
独人官庁については、08/14/03「組織トップの責任(説明責任)(刑事捜査の公正さ)2 検察の独立性1」で説明しました。
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