07/07/06
戦後の内閣制度13(憲法174)内閣法2
内閣法については、06/03/05「唯一神信仰と独裁2・・・・多神教の国と合議制2(内閣法1)」で書きましたが、その続きでもあります。
橋本内閣で内閣法を改正して、総理権限の拡充を図った成果が、小泉総理の強力な指導力の基礎になっていると言うコンセンサスがあるようです。
そこで、内閣制度の歴史経過を具体的にご紹介するために、内閣の前身・参議の意味に始まり、内閣の沿革を書いて来たこのシリーズは、このコラムで内閣制度の紹介を一旦終わりとします。
内閣制度は、明治維新まで朝廷の外部にあった行政実務組織・・・幕閣を、明治政府=朝廷の内部に取り込んで「内」なる閣とした上で、憲法にも明記せず、陰に押しやっていたのです。
プロ野球で有名選手をスカウトしながら、試合に出場させないで飼い殺しにしているようなものでした。
このいびつな戦前の体系が、日本を破滅に追いやったのです。
内閣・・行政実務を行う組織をどのように位置付けるかは、日本の近代にとって、とても重要なものであったことを、お分かりいただけたでしょうか?
こうして、戦後になって内閣を強化出来たのは、めでたいのですが、私の思いは、既に対抗すべき王権がなくなったのに、内閣を強化し過ぎて他の2権を圧倒しすぎている方が、現在の問題ではないかと言うことです。
外敵がなくなったのに、強化しすぎた軍事力を削減できずにもてあまして、国民を圧迫しているようなものです。
王権に対して3権が同じく強化されるべきで、内閣だけが強化され、その力が、王権に向かうのではなく、他の2権に向かう結果、3権のバランスを欠いているのが現状です。
その結果、不明朗な行政指導がはびこり、国民もみんな、創意工夫よりも政府の指導待ちの姿勢になり、社会の発展性が止まります。
政治面では、行政を握る与党の圧倒的有利・・事実上の万年与党体制になって来たのです。
戦後の自民党1党支配を可能にしたのは、内閣の国会に対する圧倒的な優位性と関係があるでしょう。
最後に、現行の内閣法を見ましょう。
明治憲法の反省から、法令にまかせずに大筋どころか細かいことまで、憲法に定められていますので、憲法の焼き直しのようで、目新しいことは、内閣法に書いていません。
内閣法(昭和22・1・16・法律 5号)
第1条 内閣は、国民主権の理念にのつとり、日本国憲法第73条その他日本国憲法に定める職権を行う。
《改正》平11法088
2 内閣は、行政権の行使について、全国民を代表する議員からなる国会に対し連帯して責任を負う。
《追加》平11法088
第2条 内閣は、国会の指名に基づいて任命された首長たる内閣総理大臣及び内閣総理大臣により任命された国務大臣をもつて、これを組織する。
《改正》平11法088
2 前項の国務大臣の数は、14人以内とする。ただし、特別に必要がある場合においては、3人を限度にその数を増加し、17人以内とすることができる。
《全改》平11法088
第3条 各大臣は、別に法律の定めるところにより、主任の大臣として、行政事務を分担管理する。
2 前項の規定は、行政事務を分担管理しない大臣の存することを妨げるものではない。
第4条 内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする。
2 閣議は、内閣総理大臣がこれを、主宰する。この場合において、内閣総理大臣は、内閣の重要政策に関する基本的な方針その他の案件を発議することができる。
《改正》平11法088
3 各大臣は、案件の如何を問わず、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めることができる。
第5条 内閣総理大臣は、内閣を代表して内閣提出の法律案、予算その他の議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告する。
第6条 内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。
第7条 主任の大臣の間における権限についての疑義は、内閣総理大臣が、閣議にかけて、これを裁定する。
第8条 内閣総理大臣は、行政各部の処分又は命令を中止せしめ、内閣の処置を待つことができる。
第9条 内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う。
第10条 主任の国務大臣に事故のあるとき、又は主任の国務大臣が欠けたときは、内閣総理大臣又はその指定する国務大臣が、臨時に、その主任の国務大臣の職務を行う。
第11条 政令には、法律の委任がなければ、義務を課し、又は権利を制限する規定を設けることができない。
以下省略
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