07/07/06

戦後の内閣制度11(憲法172)内閣の職務1

これまで、内閣の解散権の有無を書いてきましたが、以下、一般的な職務権限も紹介しておきましょう。

憲法
第72条 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。
 
第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
1.法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
2.外交関係を処理すること。
3.条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
4.法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
5.予算を作成して国会に提出すること。
6.この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
7.大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。
 
第74条 法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。
 
第75条 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。
但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

72条は、総理は行政各部・・・各国務大臣を指揮監督できることは当然ですが、その他に訴追同意権もあります。
73条は内閣の権能として書いてあって、総理の権能ではないのですから、総理に内閣の統制権がないと総理は動きは取れません。
これが戦前の内閣が、陸海軍大臣の抵抗で無力化してしまった原因でした。
戦後は、これまで書いて来たようにいつでも国務大臣を罷免できますし、しかも次に内閣法で分かるように総理は欠員になった国務大臣の担当大臣も自由に兼任できるのです。
昨年の郵政解散では、小泉総理は閣議で反対したので罷免した農水大臣の後任を指名せず、直ちに兼任したのです。
極端に言えば、総理は、全員罷免してでも戦えるのです。
この意味では内閣の権能は、イコール総理の権能でもあると言うのと政治的には、殆ど同じ意義です。
戦前でも兼任は出来ましたが、(山縣有朋は総理のときに内務大臣を兼任しています)陸海軍大臣に限っては、現役の軍人だけしか就任できなかったので、どうにもならなかったのです。



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