07/06/06

戦後の内閣制度10(憲法171)衆議院解散権4

高度な政治問題は、国民の判断に委ねられると言っても、解散権の根拠を問うだけの投票があるなら別ですが、解散が有効か無効かを問う選挙などは有り得ないのですから、最高裁の論理では、憲法違反はいくらでもやり放題と言うのと同じです。
憲法9条違反も同じですが、逆にひとつひとつのテーマでの総選挙はないので、個別の問題を最高裁が国民に代わって審査することこそが、違憲立法審査権の存在理由ではないでしょうか?
ただし、現に行われた解散を無効にしても、既に総選挙が行われてしまった以上は、(「国政が混乱するだけ」と言う現実論に基礎を置くものです。
総選挙は、解散後40日以内にしなければならないのですが、裁判は、解散後40日以内で出来るわけがないのです。

憲法
第54条 衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から30日以内に、国会を召集しなければならない。

前回コラムで判例を紹介したように、解散後判決まで約3年も過ぎているのですから、そう言われれば分かったような気がします。
しかし、それとてもこう言う場合の判決は違憲無効とである宣言だけで、後の効果は別とする判決の仕方があるのですから、(事情判決)この現実論は現実的では有りません。
事情判決と言うのは、お聞きになったことがあるでしょうが、例えば、定数格差がひど過ぎる場合によく出される判断で、既に行われた選挙の無効やり直しまでは宣言しないのです。
この1票の格差判決に対し、政治が手をこまねいて放置して場合、その政治姿勢が妥当かどうかこそ、国民が自分で判断するのです。
その国民の政治判断が怖いので、違憲判決が出ると直ぐにも、定数是正の改正が行われているのも、ご承知のとおりです。
高度な政治問題であればあるほど、違憲か否かの判断をして、違憲状態を放置している、あるいは繰り返し違憲行為をする政権に対し、国民がどう政治判断するかこそ、国民に委ねればいいのでしょう。
そうすれば、1票格差違憲判決同様に、違憲判断を無視して政府が同じことを繰り返す勇気はなかったでしょう。
いつも書くことですが、世の中に中立はないのですから、中立を装って、国会や裁判所の権限を弱体化させたいと言う思惑が、こうした統治行為論となっているのです。
憲法の解散に関する条文を見ましょう。憲法
第69条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
 
第70条 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
 
第71条 前2条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。



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