07/30/05

弾正から検察へ2  

太政官をも糾弾する別格の弾正台から、太政官どころか左右大臣よりも下位の実務官庁である司法省の1機関として改組されたのは、大きな意味での格下げになったと言えます。
江藤新平が主導した司法省の裁判制度は、行政府の下位に位置付けられたことを、07/25/05・・・1「明治以降の裁判所の設置5(行政府優位の体制の始まり)」で紹介しましたが、弾正台と言う別格の役所の廃止からも、明治政府の基本思想が裏づけられます。
「弾」といえば、今では弾丸を意味する用法(大陸間弾道弾や誘導弾等)が一般的ですが、「弾」とは、キツツキが叩き出すように、本来は、不正を糾弾することを「弾」といいます。
検察は、現行法では公訴官としての機能が主体ですが、後に予審判事との比較で紹介しますが、旧刑訴までは、犯罪の捜査・取り締まり機能が主体でした。
取り締まりと言うのは、巨悪でなく市井の犯罪者・お上にまつろわぬ者共を対象とするのが本旨でしょう。
・・・この網にも、たまに大魚がかかる事もあるでしょうが、これは例外です。
(しかも見逃すことの方が多いでしょう)
現在マスコミをにぎわしている公団の談合事件も、ずっと前から分り切っていることだったのに、これまで手をつけないで来ただけです。
このように検察や警察は、権力機構からはみ出したもの・社会の弱者である悪人を追及するのが本旨であるに対し、「弾正」・「弾劾」と言う言葉は、本来権力機構の上位にある「強いものの悪事を暴く」ことを意味していたのです。
弾正台が太政府やその他の行政府とは、別格に置かれた所以です。
民主国家においては、小ネズミ退治ばかりでは存在意義がありませんので、あえて「巨悪を暴く・・・」と検察庁が宣伝しなければならないのでしょうが、実際は中くらいの巨悪?をたまにしかやらない感じです。



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