07/27/05
刑事訴訟法20(破毀自判)
現行刑事訴訟法では、どうなっているか比較のために紹介しましょう。
刑事訴訟法 第400条
前2条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所に差し戻し、又は原裁判所と同等の他の裁判所に移送しなければならない。 但し、控訴裁判所は、訴訟記録並びに原裁判所及び控訴裁判所において取り調べた証拠によつて、直ちに判決をすることができるものと認めるときは、被告事件について更に判決をすることができる。」
上記のように控訴審では、但し書きによって、既に一定の心証に達しているときは、あえて地裁に送り返しすのは無駄ですから、直ちに自判出来る仕組みです。
旧刑訴と違って、原則差し戻しとなっていますが、実際、実務上破棄するときは高裁では殆どが自判しています。
例えば量刑不当の場合を考えれば直ぐ分りますが、1審の刑・死刑が重過ぎると言って無期懲役にする場合、破毀差し戻しても無駄な手間になるだけです。
或いは、懲役8年が重過ぎるとして破毀差し戻しをされると、1審では6年の刑にすればいいのか7年の刑ががいいのかと迷うでしょう。
そんなことをするくらいなら、高裁でこれが良いと思う刑を自分で言い渡して(自判)くれた方が、事件が迅速に解決して関係者にとってはありがたいのです。
控訴審が無期懲役が良いと思うなら、その場で無期懲役に変える判決をした方が合理的です。 勿論その逆に刑を重くした方がよいと言う場合も同じです。
こういう次第で、法文とは逆に実際には、原判決破棄の場合は原則として自判するようになっているのです。
昨年、私が初めて経験した破棄差し戻し判決がありましたので紹介しておきましょう。
民事訴訟ですが、高裁で、1審の不動産鑑定がよくないと言う理由でいきなり破棄差し戻しになったのです。
高裁では一回も弁論が開かれないまま、何故一審の鑑定が不満かどこが不備かの具体的判断もなく、
単に、千葉市の固定資産評価額と乖離していて信用できないと言うだけです。 市の固定資産の評価通りでよいなら鑑定がいらないのですから、変な理由の破棄判決です。
実は、この土地は土地区画整理組合の計画中の土地の1部でしたが、開発計画の失敗で、宅地造成目的の区画整理が何年にも亘って行き詰まっていた地域でした。
そこで、関係者もついに計画を解消して、市街化区域から市街化調整区域への逆線引きを求める決議がなされている土地だったのです。
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