07/31/03

相続放棄5(民法92)(熟慮期間と意思能力)

法律問題は、政策的に無能力であろうとなかろうと、一定期間経過で効力を対世的に生じさせないと物事が進まない多数関係者の手続き、例えば区画整理事業の各種処分に対する不服申し立て期間などは、各人の意思能力を問題にしていられないでしょう。
しかし、民法の大多数の問題は個人的な民、民の問題です。
とりわけ相続など個人的な問題では、意思能力のない間は期間が進まないとして個人的事情を重視するのは当然でしょう。
なお、熟慮期間中に相続人が被後見人であった場合は、下記のとおり、917条の明文で、後見人が知ったときまで、期間が進まないことは、認められています。


民法
「第917条 相続人が未成年者又は成年被後見人であるときは、第915条第1項の期間は、その法定代理人が無能力者のために相続の開始があつたことを知つた時から、これを起算する。」

私の出した例は、死亡後3ヶ月どころか1年も過ぎてから被後見人になって、同時に私が後見人に選任されたのですから、(すなわち熟慮期間中は被後見人ではなかったのです。)この条文には、あてはまりません。
民法の明文には有りませんが、917条で法律行為能力がない場合に期間が進まないのならば、それ以前の意思能力がないときは、なおさら保護されるべきであると論理になります。
私は、意思能力の理論によれば、期間が進行しない筈であると言う理論で、申し立てて、裁判所もみとめたのです。
意思無能力や行為能力の概念は、「12/23/02法律行為2(民法26)」 以下のコラムで連載しましたので、併せてお読み下さい。




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