07/22/03
相続分の譲渡2(民法83)(合有1)
ただし、我々弁護士間での交渉過程で、一定のグループAとの交渉が、(例えば5000万円貰って不動産など、一切要求しなと言う場合)妥結したものの、残りグループBとの交渉が残っているときに、その交渉が長引いている内に,Aグループの意見が変わってしまうと、交渉が振り出しに戻ってしまいます。
そこで折角の合意内容を確定的に決めて置く為の便法として、決まった5000万円をそのときに貰って、相続分を譲渡してしまうことが合理的です。
いまでは、こうした技術的な解決の場合に使われるだけと言っていいでしょう。
もしも第3者に譲渡してしまったときには、次に紹介する条文で1年内に限り、買い戻すことができることになっています。
民法
第905条 共同相続人の一人が分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。
- 前項に定める権利は、1箇月以内にこれを行わなければならない。
遺産分割は、純粋に財産上の合理性だけでは決められないことが多いので、身内だけで決めたいというときに、相続人が買い戻せる(正確には償還)ことにしたのです。
但し、取り引きの安全を考慮して、僅か1ヶ月しか期間が有りませんので、結構困難です。
遺産分割は、家庭裁判所の調停手続きですし、共有分割は、民事調停になることは、遺留分の実現方法に関して、「7/14/03 遺留分権行使の効果 3(民法64)(共有2)」と
7/17の調停種類のコラムで紹介しました。
その連載で共有分割とは違うと、書きましたが、どう違うかについては、次の条文を見て下さい。
第5編・第3章第3節 遺産の分割
第906条 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」
この条文が有るので、遺産分割前の共有は、民法財産編の共有とは性質が違い、合有で有ると言う説が有力です。
合有と言う聞きなれない言葉の意味は、共有などの物権法の説明の機会に、詳しく説明しましょう。
特定の人に遺産を集中させるのに、世間で最も多用されているのは、相続分不存在証明書発行による、遺産相続の特定者への集中です。
次にこれを見て見ましょう。
関連ページリンク
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