07/21/03
相続しない場合の方法 1(民法80)
放棄してしまった結果、とんでもないことになった事例を紹介しましたが、皆さんは、それでは自分は相続財産をいらないから、「おにいさんが遺産を1人で相続すれば良いとか、お母さんに相続してもらうことが出来ないの?と言う疑問を持つ人がいるでしょう。
こうした場合は、自分は「いらない」と言うだけであって放棄ではないのです。
「いらない」のと「放棄」は言葉の意味は似ていますが、効果が全く違います。
「いらない」場合、「自分はいらないから貴方にあげる」「みんなで分けて」「犬に食べさせる」「今は、いらないがもう少し様子を見る」「捨てる」など、処分権が留保されている場合に使います。
「いらない」と言うのは、自分の行動の前提たる心理状態でしかない途中経過と言えるでしょう。
これに対し、「放棄」は、「いらない」心理状態のから進んで、選択肢のひとつを選択した結果を表しているのです。
放棄してしまえば、その人のものでなくなるのですから、誰かにあげるとか寄付するとかの権限が、根底からなくなってしまうのです。
後の、放棄を第3者が知る方法に関するコラムで書きますが、殆どの人が、言葉の意味を正確に話している訳では有りませんので、何十年か前に弁護士に頼んで「確かお父さんが財産放棄した筈だ」と言う話しが出た場合、正式な放棄を意味しているのか、ただ、自分は貰わなかったよと、言う程度の意味を表しているのかが、分からないことが多いものです。
事実ありのままに「自分の権利を兄にやった」と言えば良いのですが、大方の人は、漢語を使うと格好が良いと思うのか「放棄したから」と言う中間概念で説明したがりますので、事態がややこしくなって来ます。
このように「事実の説明と法律の説明」の区別の必要性については、「03/31/02 法律解釈と、事実の説明 」以下のこらむで連載していますので、併せてお読み下さい。
それはそれとして、法律家以外の人の多くは、言葉を正確に使う習慣がないので、思わぬ被害をうけてしまうことが有るので、大事なことは、念のため法律家に相談してから、行動するのが良いと思います。
関連ページリンク
稲垣法律事務所コラム内:財産に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:遺産、相続に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:相談に関するコラム
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