07/18/03

遺留分15(民法77)(減殺請求権の放棄 )

前回のコラムで説明しましたが、遺留分に基づく減殺の意思表示をした場合、
そのとおりの効果が直ちに発生してしまいます。
従って、条文には、請求権と書いていても形成権であると解されていて、それで権利行使は完結しますので、遺留分請求権そのものも同時に消滅してしまいますので、後で請求するものは、何も有りません。
残るのは、遺留分権によって減殺された結果、新たに形成された権利関係だけです。
「遺留分権行使の効果(民法59)」のコラム以下で説明しましたように、「形成された新たな権利関係を、どのように具体化するか?」と言う仕事が待っているだけとなります。
生前に放蕩息子に対して、遺留分権を行使しないようにと念を押したり、一筆書かせたりすることが有りますが、次の条文があって、裁判所の許可を受けないと、その約束や文書は効力がないことになっています。
これは、戦後均分相続制にしたときに、父親が元気な内に、長男に相続させようとして、親に反抗出来ない次男や妹に対して、無理矢理放棄させることのないように、裁判所の許可に係らせたと言われています。
でも、今では、私達が受ける相談は、やくざものになってしまった息子が、僅かな遺産を要求して来ないようにとか、サラ金で逃げ回っている息子に相続させると、家屋敷がなくなってしまう、などの切実な話しばかりです。
しかし、そうした息子には、これまで他の子供の何倍もしりぬぐいして来た経過が有りますので、(生前贈与)厳格に言えば既に遺留分権がない場合が多いのです。

民法

第1043条 相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。

  1. 共同相続人の1人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ばさない。

第1044条 第887条第2項、第3項、第900条、第901条、第903条及び第904条の規定は、遺留分にこれを準用する。




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