07/17/03
遺留分13(民法74)(遺留分の計算2)
ただし、1年前の贈与でも、当事者双方が、遺留分権侵害するであろうことを知りながら、生前贈与した場合は、計算に加えられることになります。
「当事者双方が、損害を加えることを知って」いたか、いないかは難しいところですが、生前に全財産を、やってしまった場合とか、半分以上やってしまえば、行為時の年齢境遇からして余程の反証がない限り、贈与者に悪意があったと、推定される場合が有るでしょう。
しかし、そうした場合でも、受贈者が、全くの無関係者、例えば動物愛護協会や、慈善団体などの場合、遺言執行者からの連絡で始めて受贈者と知る場合がありますが、その場合は善意となってしまうでしょう。
贈与者と貰った人の双方が、悪意でなければならないのですから、意外に難しいですよ。
ここで悪意善意と言うのは、事情を知っていたかいないかと言う意味で使っていますが、正確な使い方では有りません。
この条文から言えば、悪意では足りず、「損害を加えるのを知って」と言うのですから害意に近いもののようです。
正確な「善意、悪意」の定義は、関係箇所のコラムでまとめてするつもりですが、文章が長くなり過ぎるので、簡略に「善意、悪意」と言う言葉を便宜使いました。
事件になっているのは、殆どの場合、相続人の1人が受贈者の場合ですので、親の全遺産を貰っても、他の兄弟・遺留分権者の損害にならないと思っていたと言う言訳は、殆どの場合、認められないことになります。
難しいのは、相続人が配偶者と子供3人の場合に、最初に配偶者が全遺産の4分の3貰い、つぎに長男が残った遺産の2分の1を貰って、その後に次男が更に残りの2分の1貰った場合です。
3男の遺留分は、本来6分の1有りますが、上記の例ですと、死亡時には本来の遺産の16分の1しか残っていません。
しかし、配偶者が貰ったときには、弁護士に聞いても、子供達が有する相続分の2分の1残せばいいと言うので、4分の3貰ったのであって、子供に損害を加える気持ちはなかったと言うでしょう。
長男も「自分が貰ったときにあった資産の半分しか貰ってないので、他の兄弟に損害が有るとは思わなかった」というかも知れません。
このように順次贈与があった場合、結構難しいものです。
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