07/15/03

不動産と動産5(民法70)(附合3)(債権回収と不法行為2)

ところがこの条文(民法509条)が有ると、例えば、家の壁を腹立ちまぎれに引き剥がした損害が200万円だったとして、被害者から損害賠償請求されると、自分が500万円の工事代金を払ってもらっていなくても、差引計算出来ません。
自分が先ず損害賠償の義務があり、もし、支払わなければ強制執行まで受けてしまうのです。(自分は倒産していないので、執行されたらまともに取られてしまいますよ。)
 勿論自分も裁判して、未払金の支払いを求めて、「500万円払え」という判決を貰って、強制執行申し立て出来ますが、相手が倒産している場合、何も取れずに終わる確率が高いのです。(裁判しても取れないと思うからこそ、実力行使するとも言えます。)
そうなると、自分が一方的に取られるばかりとなって悔しいこと100倍です。
私が1昨年、スーパーの倒産整理をしているときに、閉店セール中の経営者の制止を振り切って、ある大手食品会社が、店頭在庫を引き上げてしまったことが有りました。
関与している弁護士として示しがつきませんので、私は直ちに相手方に対して、損害賠償要求の内容証明郵便を送りました。
相手の本社責任者数名が直ちに、私の事務所に謝罪に来ましたが、最後の閉店セールが、台なしになってしまったことによる損害賠償をとして、持ち帰った食品の小売価格相当額を現金で直ちに支払うこと、食品会社のスーパーに対する請求権を全面放棄することで和解が成立しました。
法治国家である現在、まして弁護士が合理的な整理をしているときに、今どき大手企業が、
法を無視して実力行使をした結果、(弁護士が整理しているときは、やくざでも手を引くのが普通です。)却って大きな損失を被った例です。
このように、自分の納入した動産のままで、店頭に並んでいる商品でさえ、売ってしまった以上は、買い主の所有になっているのですから、勝手に持ち帰るのは、窃盗ないし強盗になるのは、落ち着いて考えれば誰でも分かる筈ですが、意外に分かりにくいらしいのです。
まして自分で取り付けたばかりのサッシュなどは、つい剥がして持ち帰りたくなりますので、気をつけて欲しいものです。




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