07/15/03
不動産と動産3(民法68)(附合1)
動産と不動産の分類は、分ったようで分かりにくいらしく時々相談を受けますが、庭木が生えているだけの状態のときは、その土地の構成する一部分として土地取り引きの対象に含まれます。
勿論、土地の表面どころか1メートル掘り下げたとしても、その土地の1部です。
建築資材も、部材として独立している限り動産ですが、建物の一部になってしまうと、動産ではなくなります。
例えば釘や材木、ペンキなどは、建物に打ち付けたり、塗る前は、別の動産ですが、建物に打ち付けたり、塗ってしまった後は、建物の一部になるので、大工さんが釘や柱だけ自分のものだからと抜いて持ち帰ることは出来ません。
「こんなことは当たり前だ」と言えば当たり前ですが、道理の分からない人も結構いますので、民法では細かく決めていますよ。
「民法
第242条 不動産ノ所有者ハ其不動産ノ従トシテ之ニ附合シタル物ノ所有権ヲ取得ス 但権原ニ因リテ其物ヲ附属セシメタル他人ノ権利ヲ妨ケス」
家屋に、子供部屋を建て増しすれば、建て増した分はもとの家の一部になってしまいます。
借家人が建て増しすれば、大家の家の一部になってしまうのです。
家具を取り付けた場合なども、これに当たるでしょう。
こうした場合、清算の問題は後の248条で解決します。
「第243条 各別ノ所有者ニ属スル数個ノ動産カ附合ニ因リ毀損スルニ非サレハ之ヲ分離スルコト能ハサルニ至リタルトキハ其合成物ノ所有権ハ主タル動産ノ所有者ニ属ス 分離ノ為メ過分ノ費用ヲ要スルトキ亦同シ」
机や衣服の一部分の材料は、独立の所有権の客体ではなく、ひとつのものになってしまいます。
縫い付けたボタンや刺繍は、独立の動産ではなくなってしまうのです。
第244条 附合シタル動産ニ付キ主従ノ区別ヲ為スコト能ハサルトキハ各動産ノ所有者ハ其附合ノ当時ニ於ケル価格ノ割合ニ応シテ合成物ヲ共有ス
第245条 前2条ノ規定ハ各別ノ所有者ニ属スル物カ混和シテ識別スルコト能ハサルニ至リタル場合ニ之ヲ準用ス
こうした考えは、また米など混じってしまった場合に準用されます。
「第246条 他人ノ動産ニ工作ヲ加ヘタル者アルトキハ其加工物ノ所有権ハ材料ノ所有者ニ属ス 但工作ニ因リテ生シタル価格カ著シク材料ノ価格ニ超ユルトキハ加工者其物ノ所有権ヲ取得ス
- 加工者カ材料ノ一部ヲ供シタルトキハ其価格ニ工作ニ因リテ生シタル価格ヲ加ヘタルモノカ他人ノ材料ノ価格ニ超ユルトキニ限リ加工者其物ノ所有権ヲ取得ス」
この条文は、実務上結構問題が有るところです。
材料提供の縫い物や、内職、に始まって大きくは建築物まで幅広く問題になる規定です。
また機会が有れば、その箇所で説明することにしましょう。
第247条 前5条ノ規定ニ依リテ物ノ所有権カ消滅シタルトキハ其物ノ上ニ存セル他ノ権利モ亦消滅ス
建物工事などで、自分が持って来て取り付けた物でも、ペンキだけ自分の物だと言っても始まりません、取り付けたドアーなども同じです。
従って自分の物だと思って持ち出すことは建物所有者の権利侵害になります。
誤解したからと言っても、刑法では、法律の錯誤と言って免責されません。
- 右ノ物ノ所有者カ合成物、混和物又ハ加工物ノ単独所有者ト為リタルトキハ前項ノ権利ハ爾後合成物、混和物又ハ加工物ノ上ニ存シ其共有者ト為リタルトキハ其持分ノ上ニ存ス
第248条 前6条ノ規定ノ適用ニ因リテ損失ヲ受ケタル者ハ第703条及ヒ第704条ノ規定ニ従ヒ償金ヲ請求スルコトヲ得」
清算の問題ですが、703条04条は、それだけで、一冊の本になる程難しい問題ですので、そこであらためて説明します。
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