07/07/03
法曹一元 7(弁護士任官の推進)
こうした批判に耐えられなくなったのか、裁判所は、平成の始めころから積極的に弁護士からも中途任官を募集するようになりました。
「検事や行政庁とだけ仲良くしているのでない」と言うポーズでしょうか?
ここで、交流のもたらすものはどう言うものかを、考えてみる必要があります。
端的に言えば、濃度の濃い方から濃度の薄い方へ移転する、漬け物の原理を想像すれば良いと言えるでしょう。
強い組織と弱い組織で交流すれば、強い組織の影響を、弱い組織が受けるのです。
裁判所は、行政庁に対して比較劣位にある上に、大勢の中にひとりで出向して、積極的に見習いに行くのですから、当然に行政庁の思考方法に染まってしまうでしょう。
弁護士は、どうでしょうか?
余程個性の強い弁護士でも、単独で裁判所の組織の1員になって働く以上は、裁判所に自分の個性が(民間的発想)与える影響は、微々たるものにしか過ぎないのに対し、その弁護士が、裁判所の雰囲気に染まってしまう結果の方が多い筈です。
比喩的に言えば、塩分または、糖分90%の食品10グラムを、(漬け物など)塩分等の濃度5%の液体20kg中に混ぜて、一定期間経過して濃度が同じになるとした場合を、考えてみましょう。
弁護士任官の開始は、「法曹1元の理想に近づく1里塚かも!」と言う期待を、弁護士会に抱かせましたが、年間3人や5人を、全国にパラパラ1人ずつ混ぜた場合、前記の漬け物の例のように、全体の濃度は、1%も上がらないのに、放り込まれた漬け物などは、全体の濃度である5〜6%の薄い濃度になってしまうのと、同様と言えるでしょう。
単なるまやかしのポーズでしかないから、裁判所は、安心して推進しているのでしょう。
そう言えば、この10年程は、行政庁や、検察庁への出向に反対する弁護士グループからのキャンペインは、陰をひそめました。
裁判所としては、大成功と言うところでしょう。
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