07/07/03

法曹一元 10(奨学金免除制度の危険性3)(成績優秀者?)

これに対して、「成績上位者にだけ免除するシステムならどうか」と言う考えがあります。
これは必ずしも、法曹1元に反するとは言えないとしても、成績上位者イコール法律家として優れた業績を残せるか?人権擁護活動能力と比例関係にあるかと言うと、むしろ逆比例の関係にあるように思うのは私だけでしょうか?
今、既に、所謂ビジネスローやーを求める大手渉外事務所が、司法試験合格者の内、超成績上位者に対しては、司法研修所入所前に接触して、就職の内定を出していることは周知のとおりです。
法科大学院が始まれば、在学中から成績優秀者には、大手事務所の独自の奨学金ないし貸し付けをして、囲い込みに入ることは、目に見えていると言われています。
こうした予想されている行動形態を前提に考えるとき、成績優秀者が公益活動にのめり込むどころか、最も公益に縁遠い分野の弁護士になってしまう可能性が高いのです。
今度の大改革で弁護士を増やすのは、ビジネス界の要望に合わせて、ビジネスロイヤーを増やすことに主眼があるのです。
従来の弁護士のように殆どの弁護士が、それなりに公益活動をしていた時代と異なり、合格者の相当部分が、従来型の公益活動をせず、ビジネス界で働くようになることが想定されているばかりか、期待されています。
そうなってくると、かなりの数が、単なる金もうけをするだけの法律家になる以上は、修習生全員の生活費まで、国が何故面倒見るの?と言う問題意識から給費性廃止論が発生した点を忘れてはなりません。
そこから、「公益活動をする弁護士だけ免除しよう」と言う構想が生まれて来たのです。
それなのに、成績優秀者だけに対する免除では、逆にビジネスロイヤーになる人が、被免除者の中心になってしまうのです。
私は、公益活動に向いているのは、成績は中くらいでも、むしろ働きながら勉強する階層出身者の方が、多いと考えていますので、働きながら受験したり合格後も学べるシステム構築に向けて、智恵を絞って欲しいと思っています。
今年の7月3日の「多様な生き方を保障する社会1」以下のコラムで書きましたように、補助金や奨学金免除ではなく、みんなが参加出来る多様な受け皿を作る方が、大したお金も掛からず、健全な社会になると思います。




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