07/07/03

法曹一元 9(奨学金免除制度の危険性2)

委員会活動する人が、全部免除と言うならば、いいのですが、そうなると、東京、大坂、名古屋等の大都会を除く、全員免除制と結果が殆ど変わりませんので、多分、予算がどうのと言って、その一部だけに絞ってくれと言う形になる可能性が高いでしょう。
例として、「出される過疎地に赴任する弁護士」というイメージからは、最大年間10人前後を、イメージしているのかも知れません。
余程の大判振る舞いでも、判検事の合計人数分とかに絞られるでしょう。
3000人合格予定となっても、判検事の採用枠増は、微々たるものと言われていますので、せいぜい合計200人〜300人の範囲に落ち着く可能性があります。
そうすると、弁護士の内、免除を受けられるのは、10%以下になりますから、どの委員会ならいいのか?という争いになって来ざるを得ません。
さし当たり、任官すれば、誰もが、巨額負債の免除を受けられるのならば、弁護士になって仲間内で争っているよりは、修習生全員が潜在的任官希望者となってしまう可能性があるでしょう。
そうなると、結果的に成績上位順の任官となり、成績下位者のみが弁護士になると言う序列が形成され、弁護士から裁判官へと言う法曹一元の基盤がなくなってしまうことになります。
司法権の独立のコラムでも書きましたが、制度を支えるのは、その制度を支える人材の優劣に掛かっているのです。
それどころか、免除制度は、当然のことながら、「一定期間判事や検事であればいい」と言う制度になるでしょうから(5年間とか)、本来の弁護士志望者までも、差し当たり5年間だけ裁判官やってから、弁護士になろうと考えるようになるのが普通でしょう。
もともと、弁護士になった場合でも、5年〜10年は独立出来ず、見習い的な仕事にしか付けないのが、普通です。
そのうえ、人生は、長くなったのですから、25〜26歳の若者が、3年や5年裁判官やってから、弁護士になる程度の回り道は、何の苦痛もないでしょう。
その間ちゃんと高給を貰って、しかも巨額の奨学金が免除されるのだったら、誰もが、「まずは、裁判官になってみよう」と言うことになり兼ねません。
法曹一元の逆ばりです。
そうした選択が一般化すると、始めから弁護士になるのは、弁護士しかなれないレベルの低い人と言うことで、法律家の中での地位が低くなります。
裁判官、検事経験者から弁護士になった人が、元々の弁護士よりも優秀と言うことになると、おのずから、その人たちの意見が弁護士会内で幅を聞かせることにもなるでしょう。
結果的に弁護士会は、判事、検事的発想の運営になってしまう可能性があります。
行政庁ばりの、一種の天下りみたいな世界になります。
法曹一元どころの話しではなく、法曹一元の逆ばりと言う所以です。




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