07/04/03
政権の巻き返し3(まだ最高裁判所がある!)
裁判所の判決は、長官と言えども5人(小法廷)ないし15人(大法廷)中の1人でしかなく、単純多数決です。
石田氏就任直後は、彼は長官とは言え、少数意見側でしたが、政府は、最高裁判事の定年退官による入替えの都度、徐々に政府寄りの最高裁判事の任命を続けましたので、数年して多数意見を形成するようになりました。
こういう問題は、アメリカでもありますが、政権が定期的に交代しているところから、却って中庸になる優れた制度になっています。
このことは3権分立のコラムで触れました。
40年代後半になると、労働裁判ないし政治の過ち・例えば公害や騒音を追及する反権力的性質の事件は、最高裁に行くと、連続敗訴、ないし判例変更が相次ぐようになりました。(全逓中郵事件等)
生活保障その他の国民の訴えがとおらないときに、「まだ、希望がない訳ではない、最高裁に訴えればなんとかなるかも知れない」と言う意味で「まだ最高裁がある!」という言葉が、人権擁護団体で良く使われる励ましの言葉でした。
その意味では、最高裁の狭い門戸を開けさえすれば、救済されると言う国民の最高裁に対する信頼があったのです。
昔の直訴に似ていますね。
話しは、いつものように変わりますが、直訴制度と言うのは、「政治の歪みや不都合は、帝王が悪いのではなく、『君側の奸』が牛耳っているせいだ」と言う君主に都合の良い思想教育があって成り立つものです。
ところが、地裁、高裁で時間を掛けて、積み上げて来た判例の流れが、昭和40年代末ころから、最高裁でひっくり替える現象が日常化して来ました。
最高裁に行くと、住民や労動側が、負ける時代が来た結果、国側にとって、「まだ最高裁があるさ」という逆転のギャグが流行ったくらいです。
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