06/21/08

人材派遣と生活保障6(派遣社員の単価は何故低いか?)

派遣期間制限を撤廃し、その代わり同一労働同一賃金の原則の厳格適用を進めるのと、現行法のように先ず期間制限から入っていき、その次に雇用義務付けを導入していくなど、徐々に雇用内容の規制・・格差是正の義務付けを導入していく方が現実的か?どちらが実際的効力のある政策か今のところ私には分かりません。

ところで、派遣期間制限は、ひとつには、以下に紹介するようにピンハネの正当化の根拠にもなっているのでしょう。

たとえば、不景気あるいは業績不振で1割の仕事が減っても、そのまま1年以上同じ人員を抱え続けるのは企業にとっては厳しいとしても、06/16/08「雇用政策(ワークシェアリング)と人材派遣」で書いたように、みんなで1割づつの労働時間削減制度を採用すると、労働者にとっては収入の1割減になります。

これまで書いているように、借金でカツカツの生活をしている低所得層にとっては、1割も収入が減少すると、たちまち各種月賦支払いやサラ金等への支払いに窮します。

こうした窮迫に耐えるためには、その減少する1割分の賃金の何割かを補填するために、企業あるいは労働者側にその分の積み立てが必要です。

1〜2年間の生活保障のためのプール資金は、一種の社内失業保険のようなもので、その分は給与天引きになるか、その方式にもよりますが、当面の現金支給額は一定額減少しますが、それはある程度仕方ないでしょう。

ただ、給与天引き分だけを原資とすると、元々給与の低い人材派遣要員や契約社員にとっては現金支給額が減少しすぎて、生活できない人が出てくるでしょうから、結局は企業負担分の設定が必要です。

結果的に・・労働分配率の変更が迫られることとなるのでしょう。

この労働分配率の問題は、資本対労働と言う古典的テーマと考えられていますが、正規社員とそれ以外・・・派遣・契約社員・パート労働者間の分配率の問題でもあるのです。

その働きに比べて、正規社員の給与が高すぎる・・非正規社員との格差が大きすぎる問題があるのですから、いわゆる労労分配率の是正に手をつけるのが筋でしょう。

製品売り上げに国際競争があり、その上に国際的資本受け入れが進むと、資本と労働の分配率を国際水準を超えて変更することは出来ません。

この点はグローバルな相場を無視できない問題があるのですが、労資の分配が決まった後は労労分配率の問題です。

非正規雇用は、いつでも切れると言うからには、単価が割高であっても仕方がないはずですが、これが逆に正社員・・雇用の保証をされている従業員の時間給に対して、雇用保障のない派遣の方がその半分以下というのはおかしいのです。

何故このような経済原理に反する結果が生まれたのかというと、ひとつには、正規社員の場合、年功序列賃金を前提に・・将来の昇給の見返りに若手の給与がそのときの労働の対価よりも低く抑えられている点にあるでしょう。

人材派遣のコストは、新人採用のコストと比較しやすい関係が、比較的低賃金に抑えられ易くなった原因なのです。

 



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