06/20/08
人材派遣と生活保障6(能力給)
評判の良い労働者には、雇用の申し出に始まり、次の派遣先も用意されて、次々と行く先がありますが、それでも加齢とともに柔軟性・適応力が落ちてきますし、仕事ぶりの評判が悪いとこの段階で振り落とされてしまいます。
この点は、せっかく契約社員になっても同じです。
正規社員の場合、加齢に伴い管理職などになって行き、現場力の衰えをごまかしていけるのですが、契約社員の場合年齢が上がったと言うだけでは、管理職には付けません。
人はみな、高齢化さえすれば管理能力が上がるとは限らないからです。
その意味では正規社員が、能力の有無にかかわらず一定の年功で挙がっていく仕組みになっているのが、本来の問題だったと言うべきなのでしょう。
年功序列が緩み正規社員の選別が進んでも、管理職になれる割合が減っただけで、管理職になれないからと言って解雇されることまではないのですが、派遣労働者や契約社員の場合、管理職になれないだけではなく、現場労働者としても能力が落ちてきたことが原因で、新たな派遣先や契約を獲得するのが難しくなるのです。
若くとも能力が低いと再契約が難しいのは同じことですが、実力相応の待遇・・当然と言えばそれまでですが、この厳しい選別制度が、若者の絶望を引き起こす温床・・・今回秋葉原で事件を起こした予備軍を大量生産しているのです。
正規社員のばあい、能力が低いと出世できない・・昇給率が下がるだけですが、契約社員や派遣社員も同一賃金ではなく、賃金にランク付けがあれば能力相応の収入に下がっても失業しなくて済むでしょう。
Aクラスなら時間給2500円、Bクラスなら時間給2000円、Cクラスなら、時間給1800円、Dクラスなら・・と何種類かのランク付けがあれば、企業側でも、少し難ありの若手あるいは、高齢化して若干仕事の効率が落ちても、低いランクなら再契約しようかとなりやすいでしょう。
(正規社員も高齢化すると現場力が落ちるのは契約社員と同じですから、出世しないだけではなく、本来は給与が低下するべきなのですが、これは将来の昇給あるいは減給のないことの保証を見返りに若いときに労働の割に安月給で働いた給与の後払いでもあるので、直ちに能力低下に反映できないのは不正とはいえません。)
派遣業法の期間制限は、元々は、私に言わせれば格差固定の役割しかなかった筈ですが、平成11年から雇用義務付けが付加されたことによって、現在的意味を持つようになったと言えるでしょう。
しかし、上記のように雇用に進んでも、内容実質がまったく保障されていないので、雇用契約に進む人が少ないのかもしれません。
もしも、派遣のときよりも低い給与水準の雇用条件提示をすれば、誰も雇用申し込みをしませんから、この法律はカラ証文になってしまいます。
あるいは、雇用に進んでも、契約社員と言う不安定な身分での固定化が進むだけかもしれません。
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