06/18/08

人材派遣と生活保障4(解雇権乱用の法理)

人材派遣と生活保障4(解雇権乱用の法理)

結局、消費・与信社会に平仄を合わせるには、(蓄積がないのですから)今の時代の解雇予告制度・・・生活保障・心理安定に必要な期間としては、一般に行われている耐久消費財の分割払い期間以上を必要とすべきではないでしょうか?

現在各種物品販売では、2年程度の分割払いが多いのですから、その与信利用で売り上げを伸ばしている企業側・・経済界一般としても、バランスをとるためにその間の生活保障・・雇用保障をする義務があるのです。

労働者に対する一定期間の生活保障は、かわいそうだとか法的・道義的義務と言うだけでなく、企業側も全体としてみれば売り上げ維持のために与信制度に依拠している以上は、顧客全体の職が長期的に安定することが必須・・・・企業側にとってもメリットのあるある話しです。

消費財購入でもリボルビング方式などと称して、毎月の支払額を一定にしていくらでも期間を延ばしていく様式を取り入れる(これも過剰貸付禁止の関係で制限されるようになります)以上は、雇用の現場でも、これに比例して解雇予告期間を延ばしていくべきです。

あるいは5年程度の月賦販売が普通の社会になれば、雇用保障(解雇予告期間)も5年前後にする必要があるでしょう。

この基準で見直してみると、現行労働基準法の30日の予告期間ではまるで不足していて、(転職先を探すにも1ヶ月では無理なのです)現在では最低でも1年以上2年程度の期間が要請されていると見るべきでしょう。

現行労働基準法の30日間の解雇予告制度は、今では短すぎて時代遅れで、正規労働者に対しても、その生活保障・・心理的安定には機能していないのです。

そこで正規社員に対しては、30日の予告だけでいつでも解雇できるという条文は、解雇権乱用の法理が主張されるようになり、昭和50年には最高裁の確定判例になっていますから、条文にもかかわらず殆ど死文化していたのです。

そこで、企業側による解雇権が殆ど機能しなくなったことから、いつでも切れる下請けや派遣制度がその抜け穴として利用されるようになってきたと言えるでしょう。

経済活動としてみれば、いつでも切れる(解雇できる)ならば、その分単価が高くともいいのが公平なバーター取引でしょうが、奇怪なことにアルバイトやパート、派遣その他臨時系の労働単価は逆に正規労働者よりも安くなっているのです。

この辺の不公正な結果の原因とその是正については、この後に労賃分配率の問題として書きます。

こうした経緯で発達して来た人材派遣に対しても、もしも1年以上の保障・・事前予告を要求すると、機動的な人員増減に対応できないと言う不満が企業側から出るでしょう。

そのアブソーバーとして、人材派遣会社と連帯して登録社員に対して、雇い止め通告後1〜2年間の最低保障を義務付けするのも一方法でしょう。

 

 



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