06/18/08
与信社会6の生活保障3
近年30日や40日の保障では、あるいはホンのちょっとした減収でも、すぐに切羽詰まった感じ・・絶望的になってきた原因は、消費社会化の進展と借金漬けの生活、親族相互扶助の崩壊にも関係があります。
親族相互扶助の復活は、いまさら望むべくもありませんから、以下借金漬けの生活を検討してみましょう。
借金漬け生活は、個々人が勝手に始めたものではなく、売上げ増を希望する産業界の意向を受けた政府の音頭に、国民がおどろされて一般的社会現象となってきたものです。
この辺の経緯については、03/25/07「過剰与信・過剰消費社会5(解消の必要性1)」前後で連載しましたが、与信制度が現在の日本の国内消費=生産力維持の源泉ですから、いまさら、無借金生活を政府・経済界は奨励できないでしょう。
(「現金が溜まってから買いましょう」と言う人ばかりになれば、車も家電製品も住宅も、すべて今の何分の1しか売れなくなるのは目に見えています。)
上記コラムで連載したように、国策として消費の先取り・・借金漬け経済にしていった実情がありますので、いまさら借金だらけの個人の生き方を責めても仕方のないことです。
借金漬け社会では、低所得層では殆どの人が目一杯借りていますので、ちょっとでも収入源・・あるいは途切れるとたちまち行き詰るのです。
消費社会化・クレジット化の進んだアメリカでは、ちょっとした不景気が来ると直ぐに路上生活者があふれるのは、こうした実情があるからです。
とは言うものの、1990年以降では、可処分所得に対する消費者信用残高比率では、日本の方がアメリカよりも高くなっているそうですから、一概にアメリカの例を引き合いに出来ません。
この分野では、高齢社会化と同様に、日本は既に最先端国になっているのです。
ただし、このデータは、平成17年発行民事研究会編「個人再生の実務」を最近読んだものですから、この2〜3年でどうなっているかは分かりません。
そもそもビルゲイツのなど富裕層も含めた統計によるものか、一定水準以下の低所得層だけの統計によるものかもはっきりしません。
自給自足率の低下=消費社会化→与信政策によって、購買力以上の消費をさせるのが、長年の国策・・経済政策であったとすれば、そこから生じる庶民の脆弱性・・不安心理に対して、ケアーを用意するのも政府の責任です。
しかし、カウンセラー等の心理療法その他の受け皿の充実は、経済政策のひずみに対する一時的解消策でしかなく、本質的解決策としては、消費社会化に対応した長期的生活保障の充実策が求められるのです。
昔から「恒産なければ恒心なし」と言うではありませんか?
関連ページリンク
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
