06/17/08
人材派遣と生活保障2(労働基準法7)
ところで、運送屋やペンキ屋の従業員は、行った先行った先が毎回変わっても、その属している運送会社や塗装会社の社員として一定の保障があるのです。
(今日は、引越しの仕事がない・・ペンキの仕事がないからといって、給料がなくなる関係ではありません)
派遣の場合の問題点は、派遣を運営している会社と登録社員の関係は、登録しているだけの関係で、派遣先がなくなったら、原則として(会社によっては、一定の保障をしているかもしれませんが)なんらの保障もないところにあるのです。
動物で言えば、餌が獲れるかどうかは、直ちに生存にかかわる重要なこと・・命がけですが、人間の場合社会構造が複雑ですから、この関係がちょっと遠くなっていますが、職=食・・餌獲得手段がなくなれば、生存の危機につらなる本質は、動物と変わりません。
職の安定=動物で言えば餌を保障されるかどうかの問題と同じで、人間にとって職の安定は近い将来の生命保持の安定性につながるからです。
職=生活手段ですから、これが持続的に脅かされることはすなわち生命保持の本能を脅かされること・・内向すれば自殺願望につながり、外に向かえば暴発することは見えやすい道理です。
私の言いたいことは、人材派遣に対しても、相手が人間である以上は、労働契約法や労働基準法上の労働者の定義に当てはまろうが当てはまらなかろうが、すべからく1年間以上の契約・・職の保障を義務付けたらどうかと言うことです。
ただし、この点は、ピンハネの長期化に関して別の角度からの調整が必要なのでこれは別に書きます。
労働基準法が出来た昭和22年当時は、まだ寿命も短かったし、終身雇用時代でもなかったので、30日と言うのは、結構長く感じたでしょうが、今では30日くらいの保障では直ぐにも食い詰める感じですから、予告された方では先行き不安でたまらないでしょう。
今回、秋葉原で大量殺傷事件を起こした加藤さんも、労働基準法上の労働者ではないとしても、その程度(30日)の事実上の予告はされていたものと思われます。
(噂その他何らかの事実上の予告があったからこそ、かえって精神的に参っていたのでしょう)
それが彼の不安心理を煽って、今回の事件に短絡していったものと見られます。
ライオンその他動物にとっては、3日分の保障でもその先の心配をすることはありませんが、人類は、知能の発達によって、心配するスパーンが長くなってきたのです。
不幸なことですが、ライオンと違って人間はある程度の未来を知ることができるので、30日〜40日以降のことが気になって却って不安になるのです。
百年の計というように、将来を慮(おもんばか)るのは必要なことですが、先のことを心配することを否定的に言うときは「くよくよする」といいます。
「くよくよするな」と言われても、職を失って、先立つものがなくなれば「くよくよ」せざるを得ません。
将来の計画を前向きに立てようにも、その展望が開けないのです。
この状態を絶望と言うのです。
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